疫学
症状
診断
治療と予防
ヒトには稀な条虫症
縮小条虫(Hymenolopis diminuta)は世界中にあるげっ歯類の寄生虫で、擬嚢尾虫(cysticercoide) が種々の昆虫の体内で成長する。ヒトには感染した昆虫を偶然摂取したときに寄生するが、多くは小麦粉と共に混入する。診断は糞便中に虫卵を検出することである。
瓜実条虫(Diphylidium caninum) も世界各地で見られる、一般にイヌやネコの寄生虫である。この幼虫はイヌやネコのノミの体内で成長し、これらに飲み込まれて感染する。ヒトには多くの場合、幼児が食品に飛び移った蚤を一緒に摂取して感染する。卵嚢中に8-15個の虫卵が集合したものを、糞便中に認める。
Inermicapsifer madagascarensis(マダガスカル条虫、同義語:I.cubensis)はげっ歯類の寄生虫だが、生活環は解明されていない。アフリカ、マダガスカル、アンチル諸島、ラテンアメリカでヒトでの症例が幾つか知られている。患者の糞便中に体節を認め、各虫嚢には6-8個の虫卵を含む。
Raillietina属はヒトと何種かの動物(鳥類、げっ歯類)に寄生する。R.celebensis(セレベス条虫)は東南アジアとポリネシア、マダガスカルとコモロ諸島に、R.demerarensisはアメリカ大陸の熱帯地方に、R.sirirajiはタイに分布する。
幼虫に因る条虫症
単包虫症 echinococcosis, echinococcose ICD122(122.2:肝、122.1:肺)
単包虫症は単包条虫(Echinococcus granulosus) の幼虫に因って引き起こされる。
疫学
症状
診断
治療
予防
多包虫症 (echinococcose alveolaire, echinococcose multiloculaire)
疫学
症状と治療
フォーゲル胞条虫症とヤマネコ胞条虫症
有鈎嚢虫症 cysticercosis, cysticercose ICD123.1.
有鈎嚢虫症はTaenia solium(及び例外的に、キツネとイヌ科の条虫であるT.crassicepsのような種)の有鈎嚢虫が、ヒト体内で発育することに関係する。
疫学
症状
診断
治療と予防
共尾虫症 coenurosis, cenurose
共尾虫症は、 Multiceps属の条虫で、共尾虫という幼虫が発育することと関連する。
疫学
症状・診断・治療
孤虫症 sparganosis, sparganose ICD123.4.
眼球の孤虫症は科学的根拠のない医原性の疾患である。地域の伝統医が、皮を剥いた生のカエルが目の病気に効くといって利用すると、そのカエルが動物の裂頭条虫であるマンソン裂頭条虫(Spirometra mansoni)の中間宿主であって、その幼虫(sparganum) が寄生している。カエルの肉がその上に貼られて、眼球部に再び嚢胞を作り、眼瞼、結膜、眼窩に腫瘤を形成する。治療は外科的に行なう。
類似の伝統療法によって、皮膚または会陰部への孤虫症の報告がある。
第一中間宿主のケンミジンコ(図1)を含んだ水や、第二中間宿主の動物の肉を食べた時には、時おり内臓の孤虫症に罹る危険がある。この治療も外科的である。
図1
熱帯医学データベースに戻る
AMDAホームページに戻る
このページは、アムダ企画のご協力により作成されました。