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診断
臨床症状と放射線学的検査、それに問診と地理的な質問をし、血清学的に実際の診断を行なう。
血算:胞嚢が出来上がった時期には、好酸球値は正常が軽度に上昇している(7-15%)。初期の成長している時期には、アレルギー反応を呈する。感染が合併している場合は、多核球を主体とする白血球増多症に変わる。
Casoni皮内試験:商品化された抗原を用いたこの試験は、感受性も特異性も乏しく、早期の反応以外に計測が出来ず、殆ど利用されない。免疫学的検査を行なった後に施行すると、誤った結果が出る可能性がある。
血清学的検査:定量的反応には、受動的血球凝集反応、ラテックス凝集反応、免疫蛍光法がある。これらの感受性は良好だが、非特異的反応である(偽陽性がある)。定性的反応には、相電気シネレシス、免疫電気泳動がある。感受性はやや低いが、5種類の特異的反応の其々に信頼性がある。ELISAは感受性があり、特異性も自動的に読み取れる手法である。本法は集団検診で利用されると、大変有望な結果が得られる。結果は用いられる抗原の品質に左右される。これらの方法で、個人または集団での肝の包虫症の大部分が診断確定となる。他の部位の病変や重感染を起こしたものでは、陽性となる度合いは低くなる。一旦上昇した抗体値を術後12-24ヵ月後に測定して、陰性を認めれば、完治とする。抗体値が上昇したままや、再上昇がみられる場合は、外科切除が不完全であったり、術後の播種が考えられる。
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