フィラリア症はおよそ1億5千万人に認められる。リンパ管フィラリア症という時に重症の外観上機能上の結果をもたらすものや、中央アフリカのロア症のように独特なもの、微細な治療を要するものがある。回旋糸状虫症(オンコセルカ症)は世界で2番目に多い失明の原因となる。メジナ虫症では炎症と敗血症の合併で日常生活に支障を来す。
厳密な意味では、最初の3つが真のフィラリア症(Filarioidea) を起こす。メジナ虫(ver de Guinee) はメジナ虫症の原因となり、命名上は区別される(Dracunculoidea)。
Loa loaに因る糸状虫症は、アフリカの蠕虫が皮膚−真皮の局所に成虫が、血中に幼虫が寄生して起こる。
回旋糸状虫症はOnchocerca volvulus に因る表皮皮下の糸状虫症で、2千5百万人以上が感染している。フィラリアは小型の蝿によって伝播され、その幼虫は河辺で急速に発育する。眼合併症は重篤で、《河川盲》の異名はそこから来ている。黒アフリカに特に分布しており、肥沃な流域の開発上重大な障害となっている。 Volta盆地では回旋糸状虫の駆除を目指して、大規模な作戦が国連(OMS、PNUD、FAO)の支援を受けて展開中である。西アフリカの流域7ヵ国にわたって、この事業は精力的に行なわれている。(1億6千2百万ドルかけて)国際協力を12年間続けた1986年の時点での評価は、かつての流行地の90%が良好な状態に制圧されており、国民1人を1年間この疾病から守るのに要する費用を1ドル以下に抑えることに成功した。第3期事業は1986年2月から取りかかっており、殺虫剤の空中散布を新たに4ヵ国加え、計15ヵ国に拡がった。媒介昆虫対策と、 ivermectineを用いたミクロフィラリア保有者の集団治療からなるこの新規事業を行なうには、別途に1億3千万ドル必要となる。
もともと動物の糸状虫がヒトにも寄生し、人畜共通感染症になる。Mansonella種は確実に非病原性または極僅かが病原性である。それでもヒトの糸状虫と混同される危険があるために、この種は広く知られている。この他に、 Dirofilaria種は多様な症候群のもととなることがある。
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