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診断


 直接的確診:無麻酔、無血の皮膚生検(BCE)にて、ミクロフィラリアを容易に検出する。湾曲鋏か打ち抜き鋏(図1)で皮膚小片を出血させずに採取することも多い。この切片は時計皿に置いて、蒸留水または生食水を数滴垂らして10−30分後に弱拡大で検鏡すれば、O.volvulusのミクロフィラリアが溶液中を動き回っているのが見える(図2)。コラゲネース溶液を用いれば、組織が消化されて、幼虫が出現し易くなり、検査結果はさらに良くなることがある。赤道部アフリカの森林地帯では、皮膚糸状虫 のMansonella streptocerca との鑑別、生検で出血した場合、血中ミクロフィラリアとの鑑別が重要である。無血の皮膚生検は数箇所で行なうのが勧められ、アフリカでは腸骨陵部、さらに中央アメリカでは肩甲骨部、イエメンでは膨ら脛部の皮膚を特に調べる。制圧活動の評価や治療後の検査には、均一な大きさと厚みの《Snip》を作成して、ミクロフィラリアの数を数えると良い。打ち抜き鋏を好んで使う人もいる。腫瘤を穿刺液や尿、或いは殺ミクロフィラリア剤を使用後の血液からもミクロフィラリアは検出可能である(尿はdiethylcarbamazineを小量投与後、3回遠心分離する)。
  成虫を見付けるには、オンコセルコーマを組織学的に調べれば容易に判る。
1. 2.

 疑いを強める間接的所見:血中高好酸球血症は時折中程度で、感染の程度に応じて、普通20%を越える(欧州では西アフリカから移民した労働者で高度の好酸球血症を呈する者は糞線虫症か回旋糸状虫 症である)。これはdiethylcarbamazineによる治療で増大する。
  免疫学的反応では他の糸状虫 症のものと同様である。間接的免疫蛍光法、ゲル沈降反応(O.volvuluvD.viteaeから抽出された可溶性抗原を用いた免疫電気泳動では、特異的な交差所見を示す。Ascaris suumも同様に用いられる)。しかしこれらの解釈には同じような問題が残される。血清IgEの増多が認められる。
  Mazzotti試験は回旋糸状虫 症にしばしば用いられる。diethylcarbamazine25−50mgを投与し、ミクロフィラリアを一挙に溶解させて生じる全身性二次的アレルギー反応を引き起こさせる。掻痒や蕁麻疹の出現と、40℃程度の発熱が2−3日あり、結膜充血と時には腰部浮腫が起こる。症候学的には本試験は大きなの価値があっても、被験者の患者には苦痛であり、危険がないとは云えない。皮内試験でこれを代用することが可能である。 Niveaクリームに1%diethylcarbamazineを溶かしたものを使用すると、回旋糸状虫 症に特徴的な紅班を引き起こす。

 


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