1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 認定特定非営利活動法人AMDA

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ネパール支部とインド支部訪問記(4)〜第34回アジア大洋州医師会連合インド総会(2)〜

公開日:2020年03月02日
 
AMDAグループ代表 菅波 茂
 

南アジア地域協力連合医師会(6ケ国)の
Ravinndra Wankhedkar会長と筆者

総会の終了於後に南アジア地域協力連合医師会のRavinndra Wankhedkar会長(世界医師会財務担当役員、前インド医師会長)からAMDAとの災害支援協定の申し込みがありました。来る2019年11月にインド連邦共和国の首都のニューデリにて調印をする予定になりました。南西アジア医師会連合所属のネパール、バングラデッシュ、パキスタンの3ケ国の医師会とは既に災害支援協定を調印しています。最大の会員規模を誇るインド医師会と災害支援協定を調印すれば、AMDAの南西アジアにおける自然災害対応能力は一段と強化されます。

前インド医師会事務局長Rai医師と筆者

再会を共に喜んだのは前インド医師会事務局長のD.R.Rai医師でした。Ravinndra Wankhedkar会長と同じ時期です。私に会うためにわざわざニューデリから参加してくれたとのこと。私と同じ年齢です。お互いに70歳を超えると不思議な連帯感が沸いてきます。彼が岡山で披露してくれた「私のインド」の独特の歌詞と踊りは今でもAMDAスタッフ間で語り草になっています。懇親会の場で一緒に踊ろうと誘いましたが、腰が痛いから無理とのこと。次回にお会いする時は私の鍼灸治療で、痛みが取れればと考えています。AMDAのインドにおける活動にその人脈と経験にもとづく智慧を発揮していただけると思っています。

ちなみに、インド連邦共和国におけるAMDAによる過去の災害支援の事例を紹介します。

ご縁とは不思議なものです。アジア大洋州医師会連合の財務役員のYee Shing Chan香港医師会前副会長との共通の話題がありました。AMDAの源流である岡山大学医学部クワイ河踏査隊がお世話になった永瀬隆氏です。Yee Shing Chan医師は永瀬隆氏と英国の元捕虜だったエリック・ロマックス氏の再開のテレビ番組を見て永瀬隆氏を尊敬していたとのことでした。AMDAの源流が永瀬隆氏とのご縁にあることを説明したら本当に喜んでくれました。香港生まれの彼は日本軍と国民党軍の戦闘行為による中国側の被害などについては語りませんでしたが、言いたいことは山ほどあったと推察しました。

次のご縁はアジア大洋州医師会連合副議長のマレーシア医師会Koh Kar Chai(名誉財務担当役員)医師でした。なんと、インド連邦共和国カルナタカ州にあるマニパール大学医学部出身でした。マニパール大学医学部は全インドの学力ランキングが常に5位以内に位置する優秀な医学部です。マニパール大学はAMDAインド支部長のKamath医師が務めていた大学です。災害支援協定も結んでいます。マニパール大学医学部の同窓会は世界中にネットワークがあります。世界災害医療プラットフォームの大学部門として非常に大きな意義があります。幸運なことにKoh Kar Chai医師はマレーシア同窓会の副会長の立場でした。同窓会と災害支援協定を結ぶ方向になりました。彼の一言も痛切でした。「私の祖母が生きていたら、日本人と会うことを許さなかっただろう」と。

更なるご縁はシンガポール医師会Yeh Woei Chong(理事)医師でした。彼はアジア大洋州医師会連合の議長をしています。そのクールな議事進行はさすがといった感じです。彼はEuan Murugasu医師(耳鼻科医)のシンガポール大学医学部の1年後輩でした。Murugasu医師はAMSAシンガポール支部の会員で医学部4年生の時に夏休みの1ケ月を我が家で過ごした気持ちの良い人柄でした。ちなみに、Euan Murugasu医師の父は南洋大学医学部の一期生で、マレーシア連邦の現首相であるマハティール氏(94歳)と同期です。マレーシア連邦から独立した力の弱いシンガポールで、リークアンユー首相のもとで「保健医療7人会」のメンバーとしてシンガポールの保健医療の発展に寄与したことで尊敬されている医師です。

ネパール医師会長のMukti Ram Shrestha医師とブータンの首都ティンプから参加したTashi Tenzin医師の組み合わせは微妙でした。1993年に、ネパール系ブータン人による民主化運動を契機として、大量のネパール系ブータン難民が発生してネパールの西部のダマック地区に逃げ込みました。AMDAは現在も国連難民高等弁務官事務所と協力して難民の医療支援を続けています。この話題には誰も触れることなく交流を深めました。大人の交流です。

中国系とインド系、輪廻転生を認める文化と認めない文化。その中間にいる日本。今後のアジア大洋州医師会連合が、医師という共通基盤のもとで、どのような発展をするのか楽しみです。世界の富はアジアに向かっています。世界医師会における発言力が増してきます。日本医療の公共政策も担っている日本医師会の底力は断トツです。お世話役としての期待はますます強くなります。同時に、それは影響力が強くなることを意味します。

3日間でアジア地区の個性豊かなリーダー的な役割をしている医師たちと交流する機会をいただいた日本医師会に心から感謝します。


 
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