
“女性だけの奉仕団体”として、女性と女児の生活向上、地位向上などに努める「国際ソロプチミスト岡山」(岡山市北区丸の内)。1971(昭和46)年、全国で10番目のクラブとして認証され、2020年に50周年を迎えます。同クラブの長野育子会長、逢沢俊枝副会長に国内外で展開される多彩な奉仕活動の内容、クラブの理念などを伺いました。
AMDA
長期間にわたり温かいご協力とご支援を頂き、ありがとうございます。
長野会長
AMDAは「救える命があればどこへでも」をスローガンに、世界の紛争や災害の被災者のもとにいち早く駆けつける姿をメディアで拝見し、私たち同じ岡山県人として、日本人として大きな誇りを感じています。
AMDA
西日本豪雨の際は国際ソロプチミストとして、被災した各地に支援金を贈られ、今後も復興に向けた支援を継続すると伺っています。
長野会長
今年7月の豪雨により、西日本広域が被災地となりました。国際ソロプチミスト日本西リジョン(中・四国9県)といたしましては、西リジョン災害救援金と西リジョンを含む日本全国のソロプチミストクラブと企業等から集めた義援金約5000万円で、被災地を支援し、今後の復興につきましても継続支援を行うこととなっております。
この度のことは、今までになく身近で起こってしまった災害で、私どもソロプチミスト岡山にとりましても、災害支援ということを真剣に考えさせられる機会となりました。どこにどのような支援をするのが適切か、私たちにできる最善のことは何かをクラブで検討し、実行しました。
また、私たちが行っている支援は、金銭的な支援に終始し、自己満足的、自己肯定的な善意で終わってしまっていないか、援助する人と援助を受ける人の真に平等な関係を、感謝とか感動といったムードに流されないで、冷静に配慮しなければならないということも、考えさせられました。一方的な援助では、決して寄り添うことにはならないと感じた次第でございます。「援助を受ける側にもプライドがある」とされるAMDAの“人道援助の三原則”の奥深さをあらためて痛感しました。
AMDA
2002年からはAMDA中学高校生会に助成金を頂き、これまでありがとうございました。26年間、内紛が続いたスリランカの平和構築活動や東日本大震災の子どもたちとの交流などに取り組みました。
長野会長
特にスリランカの活動では、将来の国際社会を担う青少年同士の交流が行われました。このことは、とても有意義なことで、今後、大きな成果があると期待しています。
AMDA
AMDAが2017年12月、産官学民と一緒に立ち上げました「AMDAこども食堂支援プラットフォーム」にも感謝状を頂き、ありがとうございました。
長野会長
AMDAは食糧の提供だけでなく、職場見学やボランティアの場も提供されていますが、こうした試みは全国では初めてと聞いています。社会とのつながりを提供することで、子どもたちの“自己肯定感”の醸成を目指されているのですね。この姿勢にスポンサーシップではなくパートナーシップを大切にされるAMDAの考えが出ていると思います。
AMDA
“真の奉仕の姿”を追い求められる国際ソロプチミスト岡山様からこんな高い評価を頂き、恐縮しています。ところで、クラブの沿革と理念を教えてください。
逢沢副会長
1971年4月10日、全国で10番目のクラブとして認証され、現在、会員は30人です。毎月の例会で地域や世界のニーズを勉強し、応えられる最善の奉仕の内容を検討しています。
活動の理念は「女性と女児の生活向上と地位向上に努め、奉仕と人間理解の精神を高揚し、国際理解と世界友好に貢献すること」です。母体の国際ソロプチミストの理念と同じです。
AMDA
国際ソロプチミスト岡山様としては、この場で語り尽くせないほどの多彩な活動をされています。
逢沢副会長
岡山市内の重度障害者施設への支援など、長年継続している活動もいろいろありますが、岡山産婦人科学会と連携し、乳がん、子宮がん予防のための検診を呼び掛ける運動をしています。マンモグラフィー無料検査、啓発リーフレットの作成などの資金援助もさせてもらっています。また、子どもの虐待を防止する相談ホットラインを広める啓発グッズを作成し、配布しました。最近の取り組みとしては、発展途上国で目に障害のある子どもたちが手術を受ける資金を援助することを決めました。これらの活動は、チャリティー事業の収益金で行っています。
AMDA
クラブが活動するうえで課題があれば、教えてください。
逢沢副会長
今の課題は会員を増やすことです。事業を進めるうえでより多くのマンパワーが必要ですので。クラブの趣旨を理解し、私たちと一緒に活動をしてくださる方を広く求めています。現在の会員もみんな楽しい方たちばかりで、和気あいあいとやっていますよ。
(聞き手・広報担当参与 今井康人)