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AMDAと私 (2/2)

公開日:2020年05月07日
 

AMDAボランティアセンター事務局長
AMDA中学高校生会担当 竹谷和子

 

前回、渡代隆介さんから寄せられた後半の記事をご紹介します。



〜国際関係の「現実」から「理論」へ〜
早稲田大学大学院政治学研究科修士課程1年 渡代隆介




◆欧州統合という「希望」◆
ヨーロッパと聞くと、皆さんは何を想像されるでしょうか?風光明媚な山々、豪華絢爛な教会…。まるで絵本の世界のような、長閑な景色を想像されるのではないでしょうか。
しかし、ヨーロッパの歴史は「戦争の歴史」でした。現在のヨーロッパからは到底信じられないような激しい戦争が繰り返され、多くの命が奪われました。特に、フランスとドイツは、国境沿いに位置するアルザス地方、ロレーヌ地方、ルール地方、ザール地方に眠る地下資源を求め、戦争を繰り返しました。地下資源が、「戦争の原因」になったのです。

欧州委員会(EU行政府)前にて

第二次世界大戦終結直後、「戦争の原因」すなわち「戦争の可能性」を封じ込めるための歴史的実験が始まりました。それが欧州統合です。現在の欧州連合 (European Union, 以下EU) の前身である欧州石炭鉄鋼共同体 (European Coal and Steel Community, ECSC)、欧州経済共同体 (European Economic Community, EEC)、欧州原子力共同体 (European Atomic Energy Community, EURATOM) の3機構が1950年代に創設されました。それまで国家が独占していた経済主権は、上述の超国家機関に移譲され、主権が共有されるようになりました。当初、フランス、(西)ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクという6加盟国で始まった欧州統合は、2020年4月現在、27加盟国で展開されています。ヨーロッパにおける「戦争の不在」を成し遂げたEUは、拡大と深化の歴史を経て、環境課題や人権課題をはじめ、「戦争の可能性」となり得る世界的な課題の解決に取り組んでいます。
ひょんなことから知った欧州統合…。「戦争の歴史」を反省し、「戦争の不在」さらには、「戦争の可能性の不在」を目指した先駆者たちの実践から、私は「希望」を感じました。「欧州統合や国際関係をもっと学びたい!」自分の中で知的欲求が益々高まり、情報収集のために、図書館に通い、パソコンと睨めっこした日々は、今でも鮮明に覚えています。

 

 

◆ゼミでの学び◆
欧州統合や国際関係論に魅了された私は、政治経済学部政治学科の中村英俊先生のゼミに入りました。「国際政治の理論と実践」を主題とする中村ゼミには、国際政治学に対する関心が高く、個性豊かな学生が集います。「高質な報告」「鋭い問題提起」「活発な議論」…。ゼミの同期と共有した1分1秒が私を成長させてくれました。また、大学で開催されたMIRAIプログラム (主催:外務省) では、ヨーロッパから来日した学生と「リベラル国際秩序」について議論する貴重な経験をさせて頂きました。
「軋轢 (あつれき) 」「貧困」「格差」「差別」「テロリズム」…。現代世界には解決が急がれる問題が山積しています。先生の言葉をお借りするならば、「病んだ国際政治に処方箋を提供する治療者」が今、求められているのです。中村ゼミでは、現代世界が抱える課題を解決しようとする気持ちをバネに、志を持って国際政治学を学ぶことが出きたと思います。
 

中村英俊ゼミの仲間たち

MIRAIプログラムのメンバー















◆私の研究◆
現在、私はEUを「地域間格差」という視点から見つめています。EU加盟国は、雇用率、公共交通機関へのアクセシビリティ、インターネット接続環境など様々な面で「地域間格差」に悩まされています。EU域内で深刻化する「地域間格差」を是正するため、EUは、「構造政策」「結束政策」と呼ばれる独自の地域政策を発展させてきました。全地域の「均衡ある発展 (Balanced Development)」を目指すEUの地域政策は、「競争」と「協調」という二面性のある興味深い政策です。EU加盟国の間で、EUの地域政策がどのように取り扱われ、評価されてきたのかについて追及していきたいと考えています。
ご存知の通り、「地域間格差」はヨーロッパのみならず、世界中で騒がれている社会問題です。日本も例外ではありません。EUの地域政策から得た知見が、日本の地域政策を検討するための1つの材料になればと考えています。


◆最後に〜AMDA中学高校生会に在籍する皆さん、入会を検討されている方々に向けて〜
「自分 (たち) さえ幸福ならば良い」、「同質には包摂を、異質には排除を」と言うような独善的な主張が、現代世界を跋扈 (ばっこ) しています。国際協力が困難な時代にある今だからこそ、「世界への興味」を通して、「国際協力が持つ意味」を問う必要があると私は考えています。「国際協力が持つ意味」を問う旅は、決して平坦な道のりではないでしょう。私もその旅を始めたばかりです。AMDA中学高校生会は、高い志を共有する多様な学生が、世界を見て、聞いて、感じて、考える「学びの場」です。世界に通じる「学びの場」を活かして、国際協力を問い続けてみて下さい。OBの1人として、皆さんを応援しています。

渡代隆介 (わただいりゅうすけ)
1997年生まれ。元AMDA中学高校生会リーダー。おかやま観光特使 (岡山県観光連盟) 。2016年、早稲田大学政治経済学部に入学。2017年、岡山学生稲門会を創設。2020年、同学部を卒業。2020年、早稲田大学大学院政治学研究科に入学し、現在に至る。


◆追記〜AMDAと岡山学生稲門会〜◆
2018年7月、西日本地域を豪雨が襲いました。豪雨に伴い、河川が氾濫し、甚大な洪水被害が発生しました。被害を受けられた皆様に改めて心よりお見舞い申し上げます。
西日本豪雨災害復興支援のため、我々早稲田大学岡山学生稲門会はAMDAを通じて、災害復興支援金を被災地に寄付致しました。この支援金は、早稲田大学校友会主催「稲門祭2018」における売上金の一部を用いたものです。当会の出店に際して、ご協力を頂きました関係者の皆様に改めて御礼申し上げます。
早稲田大学では、日本全国から早稲田に集った地方出身学生が「学生稲門会」と呼ばれるサークルを形成し、継承しています。岡山学生稲門会は、早稲田大学に通う岡山県出身学生によって構成される公認サークルです。「岡山県と早稲田を繋げよう!」と私をはじめとする有志で創設されました。今後も早稲田大学で岡山県をアピールし、岡山県で早稲田大学をアピールする活動を展開して参ります。ご理解ご支援のほど、何卒よろしくお願い致します。
(ご連絡は、岡山学生稲門会の公式Twitter (@okayama_tomon)、公式Facebookまで。)
 

岡山学生稲門会のメンバー (左端 渡代)






 







 

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