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 ヘルペスウイルス症 HERPES VIROSES


  ヘルペスウイルスは中心小体(Anglo-Saxonsはcoreと称す)をもつDNAウイルスである。核酸は二本鎖が線状に配列して、 162個のカプソメアが20面体構造を形成する。いずれのウイルスも細胞膜由来のエンペロープで囲まれている。このウイルスは潜在的に慢性感染していて、再活性化する可能性をもっている。神経根に潜伏するのが単純ヘルペスウイルス(HSV)と水痘帯状ほう疹ウイルス(VZV)で、血液中のリンパ球にはEpstein-Barrウイルス(EBV)とサイトメガロウイルス(CMV)が潜在する。

 
ヘルペスの初感染
 感染を起こす状況
 症候
 診断
 治療

 EPSTEIN-BARRウイルス感染症

  1964年にM.A.Epstein により同定され、この同僚らがBurkitt リンフォーマの細胞を培養し始めて、Epstein-barrウイルス(EBV)は伝染性単核球症の病原体と解った。このウイルスはある種のリンパ球を標的とし、 Burkittリンフォーマ(第7部・第2章)や未分化の上咽頭癌(第7部・第9章)の他、多数の疾病を引き起こす(表3−1)。

 
疫学
 伝染性単核球症の症候
 診断
 治療

 その他のヘルペスウイルス症

  熱帯地方では、水痘は重症型では、天然痘との鑑別が問題となった。これについては次章で述べる。サイトメガロウイルスの初感染は非常に多いが、その大部分は不顕性例で見過ごされる。時おり多少長引く熱性症候群の原因となるが、自然寛解する。実際にはサイトメガロウイルスは日和見感染して、肺炎、肝炎、網膜炎、白血球減少性の熱発を起こし、免疫不全の者、取り分け後天性免疫不全症候群(SIDA、第5部・第8章を見よ)では全身に播種する。B型ヘルペスウイルスはサルのヘルペスウイルスで、アカゲザルに水疱性口内炎を引き起こすが、感染したサルに噛まれた者に、サルヘルペスが発症した例が幾つかある。噛傷部位に水疱が生じることがあるが、主体となる症候は、全身症状の変化と髄膜−脳脊髄炎症状である。予後は良好である。
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