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症候


 通常型:乳幼児や麻疹の回復期によく見られる。熱発(38−39℃くらい)の繰り返し、嚥下障害、摂食拒絶で気付かれる。歯肉炎や口内炎が特徴的で、歯肉には発赤が生じ、充血して、時おり潰瘍を形成する。頬粘膜、口蓋、舌が水疱性病変(水疱内には透明な液体を貯留し、時おり花房状に集ぞくする)の主体をなし、次いで極めて急速にびらんを形成する。これらの病変は3−5日間で拡大し、その後落ち着いて、10日ほどで瘢痕化する。重感染を起こすことがあり、これより長期間持続することがある。この歯肉口内炎は有痛性で、摂食障害を引き起こして、既に麻疹により衰弱している小児を栄養不良や重度の脱水に陥らせる(図3−1)。
  熱発や所属リンパ節の腫大、時には口唇周囲皮膚のヘルペスを併発する。
 
 再発型ヘルペス:ストレスに曝された者、感染症患者、或いは細胞性免疫不全の者に出現する。最も多いのは、初感染部の領域に水疱が突発することで、皮膚粘膜部やしばしば口唇−口腔部、性器のヘルペスに見られる。自覚症状に現われるものに、焼灼感、掻痒感、疼痛があり、軽快するまでに数日を要す。これが繰り返し起こることが、患者の苦痛を増長する。
 
 臨床で見られる型:ヘルペス性アンギーナや初発性性器ヘルペスは希である。初発性眼ヘルペスでは急性結膜炎を引き起こし、線状または星状の角膜炎から極希に多環状の角膜潰瘍を生じる。頻繁に再発し、瘢痕や角膜の白斑から最終的に視力を失うことがしばしばある。眼ヘルペスは単発か、口腔ヘルペスを併発する。新生児のヘルペスは、母体からの抗体が少ないほど重症化する。これは晩発型の母体からの初感染(産道感染)または発育不良(経皮、経粘膜感染)に因る。重篤な感染症候群で発病し、皮膚と粘膜に病変を作る。速やかに治療に入れば軽快するが、感染症候群が悪化すれば、内蔵病変を生じる。肝炎が最も多いが、髄膜炎、脳炎、肺炎も起こす。このような型をとると、常に死亡するか重大な後遺症を見る。
  慢性の皮膚−粘膜部、口唇周囲、或いは時に会陰部のヘルペスは、SIDA(後天性免疫不全症候群)の経過中見られる(第5部・第8章を見よ)。
 

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