プロジェクトオフィサー 岩尾 智子、小川 直美

10 月22 日にフィリピンの東の海上で発生した台風20号に伴い、AMDA は、フィリピン支部および現地協力団体とともに、ルソン島ビコール地方とカラバルソン地方において緊急支援活動を実施しました。台風20 号を皮切りに、フィリピンでは一ヶ月間で6 つの連続した台風が発生。支援活動も、被害の大きかったルソン島を中心に6 回にわたって行われました。

医療支援活動では、1,000 人を超える被災者を診察。高血圧、咳などの風邪症状、筋肉痛を訴える方が多く見られ、重篤なケースが疑われた場合は、最寄りの医療機関に紹介しました。また氾濫した水の中を歩くことで傷を負い、真菌感染を起こしている例も見られました。物資支援においては、被災した1,100 世帯に日用品を提供し、回によっては食料も配布しました。
一方、子どもたちから、「雨が降ると洪水に見舞われる」との不安の声が聞かれたため、AMDA では、児童を対象としたメンタルヘルスプログラムを実施。200 人近くが参加しました。
活動をともにした現地大学の関係者は、「大勢の人が家と仕事を失いました。被災した家を修理しようにも、住民の多くは日雇い労働者で、収入源が絶たれています。このような時こそ、互いに助け合い復興を行っていく、私たちの回復力が発揮されるでしょう」と話しました。
[活動詳細]
① 11 月2 日:ビコール地方・南カマリネス州カマリガン町における医療・物資支援活動・メンタルヘルスプログラム
② 11 月2 日:同州マガラオ町における医療・物資支援活動・メンタルヘルスプログラム
③ 11 月3 日:同州ナブア町における医療・物資支援活動・メンタルヘルスプログラム
④ 11 月10 日:カラバルソン地方バタンガス州ローレル町における医療支援活動・メンタルヘルスプログラム
⑤ 11 月16 日:同州タリサイ町への医薬品と衛生用品を寄贈
⑥ 11 月26 日:ビコール地方カタンドゥアネス州における物資支援活動
~ビコール地方カタンドゥアネス州パンガニバン町での活動に参加したAMDA 小川直美看護師からの報告~

11 月16 日、台風24 号がカタンドゥアネス州に上陸し、甚大な被害が発生しました。AMDA は過去にも同州で活動した経緯があり、その時の現地協力者であったパンティ氏およびメルカド氏からの支援要請を受け、11 月22 日、日本から看護師1 名、調整員1 名を派遣して、支援活動を行いました。
カタンドゥアネス州では、被災した自治体であるパンガニバン町、フィリピン看護協会カタンドゥアネス支部、ならびに地元のボーイスカウトと協力して、物資支援を実施。被災した500 世帯の住民に、お米やイワシの缶詰、コーヒーなど、食料品を中心とした物資を提供しました。

現地では多くの家が全壊し、住民の方々は自分たちの手で家の修繕を行っていました。また収入源であるマニラ麻も被害を受けており、明日の食糧を心配する声も聞かれました。このような状況の中、日本からの支援は大変感謝され、AMDA はパンガニバン町と看護協会から賞状を授与されました。
~フィリピン台風被災者緊急支援活動街頭募金~

11 月27 日、イオンモール岡山地下入り口付近にてフィリピン台風被災者緊急支援活動に対する街頭募金を実施しました。当日は、AMDA 中学高校生会をはじめ、岡山倉敷フィリピーノサークルの皆さんにもご協力いただきました。寒い中、募金に足をとめてくださった方々、誠にありがとうございました。