2022年度年次報告 生活支援(その他)(2023/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2022年度年次報告 生活支援(その他)(2023/7発行)

インド・ブッタガヤ「お年寄りの家」への支援

◇実施場所: ビハール州ブッダガヤ
◇実施時期: 2022 年11 月〜継続中
◇派遣者: 菅波 茂 / 医師 / AMDA インターナショナル代表、アルチャナジョシ / 調整員 / AMDA 職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
「お年寄りの家」ヴェーダ ラグヴェディニ、AMDA 本部

◇受益者数: 「お年寄りの家」に居住する16 人
◇受益者の声(ヴェーダ氏より):
「牛、鶏、アヒルを買っていただきありがとうございます。動物の面倒は入居者の方々も見てくれていて、毎日が楽しくなったといわれています。今までは、牛乳や卵はたまにしか食べられてなかったのですが、これからは毎日食べられて、お年寄りの方々も元気になってきました。また、急に病気になったり、亡くなったりしたとき用の貯金もできて、安心しています。支援者の皆様に心より感謝したい。」

◇事業内容:
AMDA ピースクリニックの元スタッフであるヴェーダ氏は南インド出身であり、ご主人を亡くされた後、もっとも貧しい州として知られるビハール州ブッタガヤに移り住み、残りの人生は貧しい人々のために捧げたいと考え、「お年寄りの家」を設立した。ヴェーダ氏は、アーユルヴェーダのマッサージ師の資格を持っており、ブッタガヤを訪れる国内外の観光客対象にマッサージを施術し、その売り上げの一部でお年寄りの家の運営を行っていた。コロナ感染症対策による都市封鎖や海外からの観光客の入国制限によりマッサージに通う人がいなくなり、やむを得ずマッサージでの収入をあきらめることになった。そこで2020 年3 月から2022 年3 月まではAMDA がピースクリニックの患者と共にお年寄りの家に定期的に食糧支援を行った。

11 月15 日には菅波理事長がブッダガヤに訪れた際にお年寄りの家を訪問した。16 人のお年寄りが青いトタン屋根とレンガでできた平屋の建物に住んでいて、仕切りのない大きいな部屋にベッドが並べられていた。月に数回、お年寄りの家を訪れて食糧、衣服、薬などを配布される方はいるが、定期的な支援はなく、月によっては食糧、栄養食材、薬などを購入するための資金不足で困っているとのことである。

AMDA は、このお年寄りの家に1 年分のお米とともに、牛1 頭と子牛2 頭、鶏20 羽、アヒル5 羽を支援した。牛乳や卵はお年寄りに栄養食材として提供したうえで、残った牛乳や卵は市場で売って、その売り上げで必要なものや、お年寄りの治療費、葬式費用のために貯金をしていくことになった。

 

インド・ブッタガヤでの食事支援

◇実施場所: ビハール州ブッタガヤ
◇実施時期: 2023 年1 月〜継続中
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
AMDA ピースクリニックスタッフ含むボランティア約10 人

◇受益者数: 毎週120 人以上
◇受益者の声:
「美味しかった。」

◇事業内容:
AMDA は2009 年からインド、ビハール州のブッタガヤで、AMDA ピースクリニック(以下APC)で母子保健事業を実施している。ビハール州はインドでも最貧州の一つであり、低カーストで貧しい人々がたくさん暮らしている。また新型コロナウイルス感染対策による制限により、多くの人が失職した。

新型コロナウイルス感染対策による制限が緩和されたことにより、国内外より観光客がブッタガヤに訪れるようになった。しかし未だに周辺の村、特に女性・子ども・お年寄り・身体障害者の方々の生活は厳しく、食事すらまともにできない状況である。そこで、AMDA では毎週火曜日の昼に食事支援を行っている。小さな子どもも多く訪れていて、美味しそうに食べていた。村人は普段外部の人と話をする機会も少ないため、大変嬉しそうにされていた。

メニューはご飯、ダール豆のスープ、ミックス野菜カレーで、スープは毎回ダール豆の種類を変えたり、野菜も季節の野菜を中心に毎回違うものを入れてたり、工夫している。

調理人が中心となってたくさんの食事を作ってもらっていて、APC スタッフや関係者ボランティアの協力で、食事の準備・調理・配布・片付けを行っている。参加したスタッフから「食事の準備や片付けで大変忙しくなりましたが、たくさんの方々が食事を美味しそうに食べて、満足そうな笑顔を見るとこちらも嬉しくなり、また次回も頑張ろうという気持ちになりました。」というスタッフからの報告とメッセージも届いている。