ネパール担当 アルチャナ ジョシ
2023年11月2日、AMDAネパール子ども病院は設立25周年を迎えました。ネパール連邦民主共和国プロチャンドラ・ダハル首相ご臨席のもと、記念式典が同病院で行われ、AMDA本部から菅波理事長とネパール担当のアルチャナが地域住民250人とともに参加しました。またシンガポールからも2名のAMDA支援者が式典に同席してくださいました。
1998年の阪神淡路大震災後に、日本とネパールの多くの支援者のご協力により設立されたネパール子ども病院。正式名称を『シッダールタ母と子の病院』といい、安藤忠雄建築事務所がボランティアで施設の設計を手掛けてくださいました。ブッダが生まれたルンビニ州ブトワール市にあるこの病院は、ネパールの首都カトマンズ以外では初めてとなる、母子保健に特化した病院です。専門家による治療を行っており、西ネパールの妊産婦や子どもたちにとっての拠点病院となっています。現在は1日に平均8人の赤ちゃんが誕生しており、2022年には、外来と救急外来をあわせて35,000人の患者さんが受診しました。ブトワール市役所、ブトワール商工会議所、AMDAネパール支部が協力してこの病院を支えています。
ブトワール市長は式典のあいさつで、「25年前に建設されたこの病院は日本の皆様からの支援で建てられた病院であり、今後も日本国民の『愛の証』として大切にし、地域の拠点病院となるよう、行政と地域住民が力を合わせて頑張っていきたい」と述べました。これに対し、菅波理事長は、これまで尽力されたネパール関係者への謝辞を述べるとともに、日本側も引き続き協力していくことを約束しました。
また、式典の中で、現在100床の病院を、300床の最新の治療が提供できる病院に建て替えること、来年度より医療専門学校として、看護師、病理検査技師、ヘルスアシスタントの育成を目的とした講座を開講することが発表されました。
菅波理事長『プラシッダ・プラワル・ジャナセワシュリー勲章』を受勲
この度、ネパール連邦民主共和国ラム・チャンドラ・パウデル大統領より、ブトワール市ならびにその周辺地域の母子保健の向上に多大な貢献をしたとして、菅波茂理事長に勲章が贈られました。
この勲章は『プラシッダ・プラワル・ジャナセワシュリー勲章』(“Prasidda Prawal Janasewashree”)と称され、ネパール政府が外国人に授与する最高位の勲章です。勲章の伝達式は、2023年10月31日にネパール内務省で行われました。菅波理事長は今回の受勲を受けて、「この活動はAMDAネパール支部や病院のスタッフ、地域の方々、そして何より日本の支援者の皆様のご協力がなければここまで続けることはできませんでした。この場をお借りして皆様に心より感謝申し上げます」と喜びを述べました。