担当 岩尾 智子
10月初旬、AMDAは現地協力団体であるマーシーマレーシアにコロナ禍における現地の状況について伺いました。夏には新型コロナウイルス感染拡大による都市封鎖の影響で、生活に困窮する人たちが支援を求め「白旗」運動が盛んに行われていたものの、今は運動も収まり、感染者数もかなり減少しているという報告がありました。同時に、ボルネオ島に位置するサバ州の農村地域で行われている「新型コロナワクチン接種プログラム」について紹介があり、AMDAはこのプログラムに対する支援を決定しました。他の州と比較すると貧困率の高いサバ州は、地域によって交通手段が限られています。ワクチンの接種会場まで行くことができないため、農村部の住民は接種を受けられず取り残される可能性がありました。村によっては、ジャングルを3時間ほど運転しなければならない地域もあります。このような地理的要因を含む様々な事情により接種率が他州と比較し低迷していたサバ州において、マーシーマレーシアは同州保健福祉部が主導する農村地域ワクチン接種プログラムを支援するため、医療チーム(看護師1名、ボランティアスタッフ5名)を約1か月間派遣しました。接種率60%以下であったサバ州ナバワン地区内20か所を訪問し、367回分のワクチン接種を完了。目標としていたサバ州の接種率が成人人口の80%に達したため、この支援活動は11月2日をもって終了しました。