中国:河南省豪雨被災者緊急支援活動に関わり(2021/10発行ジャーナル秋号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

中国:河南省豪雨被災者緊急支援活動に関わり(2021/10発行ジャーナル秋号)

AMDA中国担当顧問 健心会さめじま病院病院長代行 原野 和芳
 
2021年7月17日、河南省鄭州市を中心とした大雨は日ごとに省全域へと被害を及ぼし、中国では「1,000年に一度の豪雨」と称されるに至り、この洪水の被災者は3,000万人を超えました。

AMDAより支援の打診をいただき、緊急支援の方略を検討しました。現在はコロナ禍で人流物流が中国国内でも厳しく制限されており、外国からの直接支援は困難を極めました。他方、被災者からの助けを求める声も日増しに大きくなり、僅かでも隣国の友人としての出来ることがあればという思いが募りました。

知人(呉荻氏)の伝手で、河南省華僑聯合会が現場を直接支援していることがわかり、資金援助の道筋がつきました。AMDAの迅速な援助金が呼び水となり、日本国内の在留中国人からも同会に義援金が集まりました。これによって確保された救援物資は、被災者の手元に届けることが出来ました。現在、日中関係は微妙な局面もあることは確かですが、このような草の根の活動が、被災者の直接的支援に役立つのみならず、両国の信頼醸成に寄与するものと、AMDAの時宜を得た慧眼に改めて「相互扶助」の重要性を実感させていただきました。