2020年度年次報告 プライマリーヘルスケア事業(2021/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2020年度年次報告 プライマリーヘルスケア事業(2021/7発行)

インド・ブッダガヤAMDAピースクリニック母子保健事業

◇実施場所: ビハール州ブッダガヤ地区
◇実施時期: 2009年11月〜継続中
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDA本部、AMDAピースクリニック(以下APC)
◇受益者数(2020年度): 延べ360人

◇受益者の声:
「ここで定期的に行われる健診の日には欠かさず来ている。お腹にいる赤ちゃんや私の体に異常はないか診てもらっている。コロナ禍でも無料健診を継続的に実施しているAMDAピース[pagebreak]クリニックの活動にとても満足している。家族や友人と話す際もAMDAピースクリニックが話題になることがあるが、彼らも同じ意見だ。ブッダガヤの経済状況は良くはないが、1回目の都市封鎖時に比べると状況は少しよくなった。支援が必要な私たちに手を差し伸べてくれるAMDAには本当に感謝している。」

◇事業内容:

2020年度はコロナ禍での活動となった。インド東部ビハール州ブッダガヤにあるAPCは2020年3月末から6月上旬に行われたインド政府による都市封鎖により、開院以降初めて3か月の閉鎖を余儀なくされた。7月下旬に約2週間に渡って行われたビハール州による都市封鎖の影響も加わり、インドの妊産婦の生活は大変厳しい状況だった。例年、世界遺産のマハボディ寺院があるブッダガヤには世界中から観光客が集まるため、地元の人たちの多くは観光業と建築関連事業で生計を立てていた。しかし、都市封鎖の影響で観光客も途絶え、新規建築事業もない中、経済的に生活が苦しいという訴えを妊産婦から耳にするようになった。

そこで、6月に活動を再開したAPCは、感染対策を徹底したうえで、日々食べるものに困窮していた妊産婦家庭に野菜支援を開始した。加えて、閉鎖中も毎月、場所を変えて行っていた妊産婦健診は同月にAPCで行えるようになった。一方、感染リスク軽減のため、以前行っていた健康教育(母親学級)、栄養プログラム(週1回軽食を提供)は現在も休止している。スタッフによる妊産婦宅訪問も中断しているが、APCに登録している妊産婦からの相談は電話で受け付けている。最後に、2017年度からグンゼラブアース倶楽部様より提供いただいているショーツを、APC利用登録時と出産報告時に各2枚ずつ、妊産婦に提供している。