ウクライナ人道支援活動(2024/7発行ジャーナル夏号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ウクライナ人道支援活動(2024/7発行ジャーナル夏号)

プロジェクトオフィサー 金高 摩耶

 国連難民高等弁務官事務所によると、2022 年2 月下旬に勃発したウクライナ人道危機以降、2024 年6 月時点で3,290 万人以上のウクライナ市民が周辺国に避難しました。AMDA では人道危機勃発直後の2022 年3 月7 日より多くの方が避難する隣国ハンガリーでニーズ調査を開始。医師、調整員ら延べ16 人をハンガリーへ派遣し、医療支援活動を行いました。

 この活動は2023 年3 月15 日より、1 年間、外務省の日本NGO 連携無償資金協力事業としても採択され、ウクライナ国内2 ヶ所の病院(ダイナスティメディカルセンター、セントミッシェル小児総合リハビリセンター)と、ハンガリー国内2 ヶ所の支援団体(ヴァルダ伝統文化協会、メドスポット)とともに、現地協力団体主導の下、継続して支援を行ってまいりました。

 耳鼻咽喉科を専門とするダイナスティメディカルセンターでは、避難者に対して無償での手術や、がん患者に対する抗がん剤の支援を行いました。

 セントミッシェル小児総合リハビリセンターでは、常時200 人近くの子どもたちが通う同センターの光熱費に資金が充てられたほか、近隣の児童福祉施設への食料支援と巡回診療などの医療支援を行いました。

 物資支援を中心に行うヴァルダ伝統文化協会では、避難してきた方に対する炊き出しや日用品の配布のほか、国外避難によって農作業をする若者がいなくなってしまった町への食糧支援を行いました。医療団体メドスポットは、多様な専門医で医療チームを結成し、巡回診療を実施。持病のある患者へ血圧計を配布するなど避難者の健康増進へ向けた活動も行いました。

 外務省による日本NGO 無償資金協力事業としての期間は終了しましたが、今後もAMDA では、必要とされる支援を継続して行ってまいります。