プロジェクトオフィサー 神倉 裕太郎
診察するAMDAフィリピン医師
2020年1月12日、フィリピン中部にあるタール火山が噴火し、フィリピン政府は同日、火山から半径14kmの地域に避難指示を発令しました。1月21日のフィリピン政府の発表では、合計68,439世帯が被災し、38,906世帯が避難生活を送るなど、非常に多くの方々が避難所での生活を強いられました。
AMDAは、調整員1人を1月16日〜21日の期間で現地に派遣し、AMDAフィリピン支部をはじめ、医学生や地元企業、地元NGOなどにもご協力いただきながら、タール火山のあるバタンガス州内の避難所にて支援活動を実施しました。
AMDAチームは、医師による診察、看護師の健康相談や歯科検診など合計526人に医療支援を実施し、さらに石鹸やオムツ、バケツなどの日用品685世帯分の物資支援も行いました。
被災者の方の中には、火山灰が降り続けている家に毎日戻り、掃除や家の用事を済ましているという方もいました。AMDAフィリピン支部の医師が診察した方の中には、火山灰の影響と思われる呼吸器疾患が見られる方がいたり、家での作業や暑い避難所生活の中で脱水の兆候が見られる方もいて、災害が原因で体調不良を訴える方に対し、医薬品の処方などの適した対応を行うことができました。いつ家に帰れるか分からない状況の中で、「支援活動を行うことで、避難者の方々の希望に繋がれば嬉しい」とAMDAチームの1人は話しました。