AMDAピースクリニックの挑戦 〜インド・ビハール州ブッダガヤ(中)〜*支援医師の思い*(2019/10発行ジャーナル秋号) – AMDA(アムダ)
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AMDAピースクリニックの挑戦 〜インド・ビハール州ブッダガヤ(中)〜*支援医師の思い*(2019/10発行ジャーナル秋号)

インド担当 岩尾 智子

 


写真左:バルマ医師

インド・ビハール州ブッダガヤにあるAMDAピースクリニック(APC)は地域のニーズに応えるため、2014年から妊産婦ケアを中心とした母子保健支援に切り替えました。現地で診療に意欲を燃やす女性のバルマ医師にお話を伺いました。

AMDA

APCとの出会いを教えてください。

バルマ医師

地元の知人から紹介されたのがきっかけです。私はブッダガヤで産婦人科クリニックを開いて16年になります。その経験を社会貢献に生かしたいという思いがあり、APCに携わっています。

AMDA

産婦人科を専門に選ばれたのはなぜですか。

バルマ医師

女性のために何かしたいという思いからです。特にブッダガヤでは、女性の患者は女性医師に診察してもらいたいという思いが強いのです。

AMDA

診察中に気が付いたことはありますか。

バルマ医師

貧困の中で生活しており、教育を受けていない女性が妊婦になるケースがほとんどです。情報を得る手段が限られるため、間違った固定観念を持っていることがあります。例えば、栄養価が高いものは高価だと信じている人もいます。ただ、地元で採れる野菜などにも必要なビタミンや鉄分が多く含まれていることを知れば、食生活の改善はできるのです。正しい知識を伝えることの重要性を感じます。

AMDA

ブッダガヤの妊婦に多くみられる症状を教えてください。

バルマ医師

栄養不足、貧血の妊婦が一番多いです。サプリメントを渡すだけでなく、APCスタッフによる栄養指導も実施しています。早産・流産の原因となり得る子宮奇形や感染症罹患しているなど慎重な経過観察を必要とする妊婦もいます。5カ月前にはAPCに来ていた子宮奇形の妊婦が帝王切開で第一子を出産しました。この方は、妊産婦ケアを受ける前は2度流産の経験をされていたので、とても印象に残っています。

AMDA

日本の方々へのメッセージをお願いします。

バルマ医師

AMDAピースクリニックはとても素晴らしい母子保健活動を行っています。これからもご支援をよろしくお願いします。
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AMDAピースクリニックの挑戦は今回が2回目です。最終回はジャーナル冬号で「信頼関係の構築」を掲載します。