インド担当 岩尾 智子
20年に1度と言われる強い勢力を持ったサイクロン「ファニ(Fani)」が5月上旬、インドとバングラデシュを襲いました。インド東部の海岸沿いにあるオディシャ州を含む、災害被害が予測された地域では100万人以上に避難指示が出され、事前避難することで多くの命が救われました。一番被害の大きかったオディシャ州では死者38人、14地域1600万人以上が被災しました(インド・オディシャ州6月4日発表)。
AMDAは発生直後よりインド支部と連絡を取り合い、活動への調整を行っていました。5月17日にはインド支部より医師1人をオディシャ州へ派遣し、現地調査を行いました。結果、多くの家が被災し、停電が続く中、避難所から一時的に家に帰って片付けをしている被災者がいることが分かりました。修復前の家を覆えるよう、ブルーシートを配布することを決定し、翌18日には、現地協力団体セワ・バラティと協力して、AMDAはサイクロン被害の大きかったオディシャ州プリ地区にある5つの村で計25張りのブルーシートを配布しました。物資を受け取った男性は、「いただいたものは、壊れた屋根を覆ったり、一時的な雨よけ用テントとして使用する予定だ」と話しました。村では、早く元の生活に戻ろうと、サイクロンで割れてしまった土鍋を新たに作っている様子も見られました。