GPSP支援局長 難波 妙
救命救急についてのセミナーを行う佐藤拓史医師
昨年9月に引き続き、東亜大学医療学部教授、佐藤拓史医師による救命救急についてのセミナーが9月17日、18日の両日、ウランバートル、救急医療サービスセンターで行われました。同センターの主力10名の医師を対象に、モンゴルの救急の現場ではまだ実施されていない骨髄輸液、輪状甲状靱帯切開術、心タンポナーデの治療についての研修を行いました。
モンゴルでは、医師が救急車に同乗します。従って、速やかに上記の治療が現場でできれば、救命率は確実に上がります。今回、実際に鶏肉の骨を使って骨髄輸液の手技を一人一人の医師が実体験しました。また、輪状甲状靱帯切開の手技や心嚢穿刺、心膜開窓術の技術をシミュレーターで学びました。セミナーを終えたトレーニング担当課長は、来年は是非ウランバートルだけでなく郊外の救命救急医にもセミナーを行いたいと、更なる意欲を語りました。研修を終えた救急医たちは皆自信に満ちた表情になり、佐藤医師への感謝を表していました。
19日には、ウランバートル保健局80周年記念シンポジウムに招待された佐藤医師は、災害時の感染症対策について、熊本とハイチでの救援活動の経験を200名の参加者を前に発表しました。その内容は翌日の地元紙にも掲載されました。