スリランカ洪水緊急医療支援活動(2017年7月発行ジャーナル夏号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

スリランカ洪水緊急医療支援活動(2017年7月発行ジャーナル夏号)


被災地域の被害の様子

5月末にスリランカを襲ったモンスーンによる大雨で、同国の南西部では洪水や地滑りによる被害が相次いで発生。スリランカ災害管理センターによると、6月8日現在で212人、行方不明78人、負傷者150人。2万棟以上が損壊し、約60万人の生活に支障が出る大惨事となりました。

警察や軍の救助隊はボートで孤立した住民を救助したり、氾濫した川から逃げ出したワニの被害に注意を呼び掛けるなどしていますが、被害は今後も拡大すると予測されました。

AMDAスリランカ支部は、現地協力団体であるセントジョン救急サービススリランカ及び現地テレビ局と協力し、洪水が起こった翌日の5月26日から活動を開始。AMDA本部も緊急支援チームの派遣を決定し、6月7日に現地入りした調整員と看護師の2人はスリランカ支部のメンバーと合流し、巡回診療や支援物資の配布に当たりました。


物資支援を行う菅原看護師

緊急支援チームは最も被害が大きかったラトナプラ地区など3カ所を訪れ、患者を診察した結果、上気道感染症などの症状が見られました。通学用カバンや筆箱などの文房具、蚊帳を配布、医薬品の補充も行いました。住民からは「遠くからありがとう」と握手をしながら感謝の言葉をいただきました。

AMDAが派遣した2人は6月12日に帰国しましたが、スリランカ支部は引き続き活動。衛生環境の悪化による感染症の拡大など警戒を続けています。

■日本からの派遣者
菅原 久美子/看護師/AMDA ERネットワーク登録メンバー
ニッティヤン・ヴイーラヴァーグ/調整員/AMDA本部職員