連載インタビュー「支える喜び」シリーズ 第5回アンディ フスニ タンラ医師(AMDAインターナショナル緊急救援委員会委員長、AMDAインドネシア支部長、インドネシア スラヴェシ島ハサヌディン大学麻酔科元学部長) (2015/7発行ジャーナル夏号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

連載インタビュー「支える喜び」シリーズ 第5回アンディ フスニ タンラ医師(AMDAインターナショナル緊急救援委員会委員長、AMDAインドネシア支部長、インドネシア スラヴェシ島ハサヌディン大学麻酔科元学部長) (2015/7発行ジャーナル夏号)


AMDAを支えてくださっているご支援者の皆様に、インタビュー形式で様々なエピソードをお話しいただいている「支える喜び」シリーズ。
第5回目となる今回は、世界30カ国にある支部の中でも、AMDA多国籍医師団をけん引して多くの緊急医療支援活動に関わってくださっている インドネシア支部の支部長 アンディ フスニ タンラ医師にお話しをお聞きしました。

日本と菅波代表との出逢い

AMDA:
本日はありがとうございます。タンラ先生は、日本とのご縁も長く深く、平成16年には日本の外務大臣表彰も受けていらっしゃいますよね。
タンラ:
AMDAとの歴史は1981年にさかのぼりますね。
1981年に広島大学医学部麻酔科で博士号を取りました。
そして同年、岡山駅でAMDAグループ代表の菅波先生にインドネシア支部設立の依頼を受けて、快諾して以来の仲です。
私の大好きな言葉、「ファンタスティック」な出会い、まさに「AMDAと一緒に年を重ねてきた」と感じています。
私は、神が繋いでくれたこのご縁に心から感謝しています。
日本で勉強をする機会を与えられ、菅波先生や多くの友人に恵まれました。
殊に菅波先生と知り合えたことは、本当に幸運だったと思います。私はこの世に「偶然」というものはないと信じています。
すべては始めから決まっていたことだと考えています。
菅波先生に会ったこともこれは「偶然」ではなく「必然」です。
私は、これまで多くの親切な日本人に出会い、そしてそれが広がって多くの活動に繋がっています。
さらに日本以外の各支部の先生方など世界の方たちに出会う事が出来ました。
これは菅波先生のお蔭です。


緊急医療支援と人財育成

AMDA:
AMDAインドネシア支部設立以来、何度も緊急医療支援チームを被災地に派遣されてますよね。
2004年に発生したスマトラ島沖地震津波の際のインドネシア支部の機動力は、まさに「ファンタスティック」でしたね。
タンラ:
ありがとうございます。
あの時はAMDA本部からの電話を受けて、3時間後にはAMDAインドネシア支部として医療チームを結成し、被災地に向けて第1陣を派遣しました。
私は、緊急医療が専門です。
トリアージ、心肺蘇生法などを大学で教えています。
これは医師にとって、とても大切なことです。年齢や状態によりますが、4分間呼吸が止まれば人は死ぬのですから。
即座に正しい判断をもって措置をすることは必須です。
緊急救援を行う団体として少しでも早く、効率よく活動を行うことは、至上命題です。
AMDAの活動を通じて、そういうことを一人でも多くの学生にも伝えたいと思っています。
AMDA:
人財育成を視野にいれられているんですね。
そういえば、タンラ先生は、昨年ハサヌディン大学全体でもっとも学生をやる気にさせる教授N0.1に選ばれましたそうですね。
タンラ:
ジャカルタのプリタハラパン大学博士課程でも同じ賞に選ばれました。
多くの学生が自分のことを覚えてくれていることが嬉しいですね。
インドネシア医師会の元会長もその中の一人です。
多くの素晴らしい学生にも恵まれました。

見返りを求めない誠実さ

AMDA:
タンラ先生のお人柄もありますよね。
それには日本での留学経験が影響していますか。
タンラ:
日本には「お蔭様で」という言葉があります。
私も日本で受けたご恩に「お返し」をしたいと思い、即座に実行したいと思いました。
ハサヌディン大学麻酔科にAMDAネパールから留学生がきたとき、自分が日本で受けた親切を、このネパール留学生に返したいと思いました。
日本人は、すべてにおいて正直で誠実です。
「見返りを求めない誠実さ」これは日本で私が学んだことです。
これは実にイスラム教の考え方に繋がるものです。
菅波先生は私より若いけれど、私は、菅波先生のように生きたいと思っていますよ。
実に多くのことを、誠実さをもって行っていますからね。
AMDA:
これからのご白身とAMDAとの活動をどのようにお考えでしょうか?
タンラ:
これからもAMDA緊急救援活動はもちろん、人財育成、奨学金、フードプログラムなど他の人たちのために白分も頑張りますよ。
菅波先生が提唱している[世界平和パートナーシップ構想]のためにAMDAと一緒に。
AMDA:
そう言って頂けて心強いです。これからも引き続きよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。