東南アジア洪水被災者に対する緊急医療支援活動〜マレーシア北部洪水支援〜(2015/1発行ジャーナル冬号) – AMDA(アムダ)
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

東南アジア洪水被災者に対する緊急医療支援活動〜マレーシア北部洪水支援〜(2015/1発行ジャーナル冬号)


東南アジア洪水被災者に対する緊急医療支援活動〜マレーシア北部洪水支援〜

12月末に東南アジアを襲った低気圧により、マレー半島東海岸の5州16市町村に大規模な洪水が発生しました。死者16人、被災世帯は11,311世帯、避難者数は最大16万人近くに達しました。(マレーシア首相府国家安全保障会議発表)

この状況を受け、AMDAでは医療チームを1月1日に被災地に向けて派遣。同日クアラルンプールに到着し、現地協力団体のNGO マーシーマレーシアと合流。情報共有および今後の活動についての打ち合わせを行いました。


3日の早朝には被害の大きかったクランタン州の州都・コタバル市に到着。マーシーマレーシアのメンバーとともに荷物の積込みを行い、被災地クアラクライ郡ベコック村とトゥアラン村へ陸路で移動しました。水は引いているものの、泥が渇いてほこりに覆われた町の様でした。

事前のニーズ調査の結果を受け、被災地で最も必要とされている支援物資として、手押し車、シャベル、デッキブラシ2種類、水きり、ほうき、マスク、軍手、バケツを1セットとした掃除セットを30世帯に配布することができました。


4日にはマーシーマレーシアの医療チームとともに、トゥンパッ郡コクパシール村で巡回診療を実施しました。コクパシール通りにテントを設置して始まった巡回診療では、113人の診療を実施。主な症状としては、皮膚疾患、腰痛、高血圧症がみられました。診察を受けた患者らは、処方薬を手にし、AMDA医療チームに対し「遠い日本から、来てくれてありがとう」など、それぞれ感謝の言葉をかけてくださいました。

マーシーマレーシアによると、今回の災害に対して支援に入っている団体としてはAMDAが唯一の日本のNGO。

AMDA医療チームは5日未明に被災地を後にし、マーシーマレーシアと連絡を取りながら、今後の状況を注視していきます。

【派遣者プロフィール】
大政朋子:GPSPクアラルンプール事務所長/調整員
柴田 幸江:看護師/兵庫県在住

【現地協力団体】
マーシーマレーシア(MERCY Malaysia)