2013年度年次報告 AMDA海外支部主体事業2014/07
ネパール東部ダマックにおける医療支援事業
リフェラルヘルスセンター |
◇実施場所 ネパールメチ県ジャパ郡ダマック市
◇実施期間 1992年〜継続中
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成 AMDAネパール支部
◇事業内容
AMDAネパールを実施主体として、1992年からメチ県ジャパ郡ダマックでブータン難民と地元住民の双方を医療支援対象とした事業を行っている。この事業の受益者は3万人以上(2014年1月時点)。ダマックのAMDA病院がブータン難民と地元住民のリファーラル病院(上位紹介病院)として機能している。1995年からは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の委託事業となっている。現在事業は母子保健やHIV/性感染症予防事業、難民キャンプ内のヘルスケア事業、人材育成など多分野に渡る。 この事業で計測している指標のうち、予防接種、新生児のビタミンA投与、(伝統的産婆ではなく)医療職による出産、保健医療施設での出産の達成率は100%、妊婦の産前ケアの達成率は99%となっている(2013年時点)。避妊普及率は2009年に20%だったが2013年に60%に上昇した。栄養不良の割合は2009年に7.2%だったが2013年に4.7%に改善している。
◇現地協力機関
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
ネパール子ども病院事業(正式名称:シッダールタ母子専門病院)
ネパール子ども病院 |
1998年11月、阪神淡路大震災後の日本とネパールの多くの支援者の方々の協力により設立された首都以外で唯一の母子専門病院。設計については安藤忠雄建築事務所がボランティアで協力。ネパール南西部タライ平野に位置するルパンデヒ郡ブトワル市に設置。高い医療サービス提供が定評で、地元からだけでなく100km以上離れた地域から訪れる患者もいる。年間分娩数は3,000件を超える。
診察科:
小児科、新生児科、産婦人科、女性内科
病床数:
141床(小児科、新生児科、産婦人科)
スタッフ数
146名(医師19名、看護スタッフ56名、検査スタッフ9名、薬局スタッフ8名、ヘルパー28名、事務スタッフ26名)
2011年8月より新たな周産期病棟(2階建)の建設を開始し、2012年11月に完成した。新病棟では、陣痛室、分娩室、産褥室、手術室、家族計画カウンセリング室、新生児集中治療室などを備え、妊娠・出産から新生児ケアを総合的に管理できるよう配慮している。事業管理についてはAMDAグループの「AMDA社会開発機構」が担当している。
バングラデシュ ABCプロジェクト AMDA Bank Complex
マイクロクレジットの会合の様子 |
◇実施場所 バングラデシュ人民共和国ダッカ管区ムンシガンシュ県ガザリア地区
◇実施期間 1999年〜継続中
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成 AMDAバングラデシュ支部 事務スタッフ34人
◇事業内容
このプロジェクトは?AMDA保健センター、?AMDA職業訓練センター兼洪水避難所、?AMDA地域学習センター、?小規模融資プログラムの4つの活動で構成されている。
AMDA保健センターは日本政府の援助により2003年に設立され、土地なし農民や貧しい女性たちに低価格で保健サービスを提供している。受益者はおよそ2万人。センターには、パートタイムの医師が2人、研修を受けた助産師1人、検査技師1人、保健助手が3 人いる。そのほかに、無料で地域の巡回診療を行う地域保健ワーカーが5人いる。
AMDA職業訓練センターは、2002年に日本の外務省の支援により設立された。洪水の際に避難できるように3階建てになっている。ここでは、コンピューター、大工、電工、洋裁、漁業・養鶏の4つの研修プログラムを提供している。これまでに、土地なし農民や女性、退学した若者などおよそ1200人が訓練を受けている。
AMDA地域学習センターは、職業訓練センターの建物を使って行われている。ここでは地域の持続発展に役立つ成人向けの生涯教育が行われており、地域の人びとおよそ1500人が参加している。
最後の小規模融資プログラムは、AMDA本部が提供した資本を元に1999年に始まった。このプログラムは、社会から疎外された女性が、小規模融資により現金収入を得られる活動をすることを促進している。現在、ガザリア地区の24村で活動が行われており、1グループ5人からなる500グループ(計2500人)が存在している。
AMDAはプログラムの円滑な進行のために87か所のセンターを運営しており、1センターあたり5〜10グループが所属している。グループには、グループ長と副グループ長がおり、その中から、センター長と副センター長が選出されている。
◇現地協力機関
ユニセフ(国際連合児童基金)バングラデシュ事務所