AMDA東日本復興支援事業(2014/6発行ダイジェストNo.42掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDA東日本復興支援事業(2014/6発行ダイジェストNo.42掲載)

AMDA東日本復興支援事業

AMDA東日本復興支援事業

2011年3月11日に発生した東日本大震災に対して、AMDAは翌日から医療チームを被災地に派遣し、緊急医療支援を開始。約50日の緊急支援活動を経て、2011年5月1日より復興支援活動を行っています。2014年3月までを「第1次復興支援3か年事業」として「医療・健康」「教育」「生活」を柱としたさまざまな復興支援事業を行いました。現在、2014年3月から「第2次復興支援3か年事業」として、広がりを持った復興支援事業を継続しています。

 

鍼灸治療支援活動(岩手県上閉伊郡大槌町、宮城県石巻市雄勝町)


月別鍼灸治療のべ患者数
(2013/12から2014/5月末まで)

災害発生後の急生期において、非常にニーズの高かった鍼灸治療を、復興支援事業の一つに位置づけ岩手県上閉伊郡大槌町、宮城県石巻市雄勝町の2か所で、それぞれ地元の鍼灸師を雇用して、鍼灸治療支援活動を実施しています。いずれの活動地でも、地元医療機関と連携をはかりながら活動を行っています。また、災害時に活躍できる鍼灸師の養成を目的とした「災害鍼灸チーム育成プログラム」の第2回目開催が2014年9月6,7日に決定しました。

AMDA大槌健康サポートセンター


妊婦さん、子育てママさんたちのための
「まんまるサロン」

地域の方々の「心身の健康」をテーマとし、「コミュニティースペース」と「鍼灸室」を備えたAMDA大槌健康サポートセンターの運営を行っています。コミュニティスペースでは、住民の方が集える場所、意欲形成の場所として、様々な教室事業やイベントを実施しています。
現在月に1回のペースで、地域の子育て支援として主に育児中の母親や妊婦を対象とした「まんまるサロン」を岩手県の助産師と共催で行っています。
沿岸部の被災地では、母親学級のような妊婦からの相談や育児中の相談を気軽にできる場所が不足しています。そこで、2011年10月から岩手県助産師会「まんまるチーム」の助産師らの呼びかけによりスタートした企画で、2013年12月からはAMDAとの共催事業となりました。
震災の影響から子育ての悩みを抱えたり、孤独になりがちな母親が、子連れで気軽にお茶を飲みながら、子育てや自分のことを自由に話せるサロンとなっています。
地域で母親たちがつながることは、子育てのしやすい環境づくりにもつながっていく母子支援事業になるものと考えます。
参加された方々からは「ゆっくりお茶を飲みながら話す場所がないので、とてものんびりできた」「ちょっとした子育ての悩みを助産師さんに相談できて安心した」「普段、育児と家事におわれて自分にかまう時間がないので、話をゆっくり聞いてもらったりマッサージをしてもらったりと、自分が大事にされているのが嬉しい」などの声が寄せられています。

その他にも、住民の心身の健康づくりを目指した「フライパンでつくる天然酵母パン教室」「健康体操教室」など様々な教室事業を行っています。

AMDA東日本国際奨学金

東日本のこれからの復興担う世代の支援として「AMDA東日本国際奨学金」を支給しています。これは将来医療従事者を目指す被災地の学生を対象に年間18万円(15,000円/月)を支給するもので、返済の必要はありません。
2013年3月には66名の奨学生のうち、45名が卒業を迎え、医師、看護師など、それぞれの道を歩み始めました。
2014年度は岩手県立大槌高校、宮城県立志津川高校、宮城県立気仙沼高校の3校の学生21人に支給しました。これを含め2011年度の支給開始からこれまでに、8校のべ274人に奨学金を支給しています。また皆様のご支援により本年度、新たに奨学生の追加募集を行うことが決定しました。現在対象となる学校との調整に入っています。

AMDA東日本国際奨学金 奨学生から届いたおたより

2014年3月に卒業を迎えた奨学生よりお便りが届きました。以下にご紹介させていただきます。
平成24年と25年の2年間にわたり、貴法人より奨学金をご支援いただきました。おかげさまをもちまして、私は4月より親元を離れ、看護学校で学ぶことになりました。看護師になるために精一杯頑張りたいと思います。本当にありがとうございました。

被災地間相互交流事業〜第6回復興グルメF-1大会 開催〜


多くの人でにぎわった会場の様子

三陸沿岸部一帯の商店街が復興に向けて一丸となり、東北の現状および情報を全国的に発信するとともに、情報や知恵を共有することで新たな復興への協力体制を形成することを目的として2013年1月からスタートした「復興グルメF-1大会」が2014年4月に第6回大会を開催しました。会場となったのは宮城県七ヶ浜町。天候にも恵まれ、予想を上回る約6000人の方が会場を訪れました。
七ケ浜町サッカースタジアム前駐車場に設置された会場には11地域14チームの「復興グルメ」が出店し、お昼には売り切れの店舗が続出する賑わいとなりました。投票の結果は、地元七ヶ浜商店街の「海鮮あんかけ七宝汁」が優勝を果たし、前回優勝のTEAM南相馬 かしま福幸商店街から優勝トロフィーが贈られました。
第6回大会の開催に先駆けて、2014年3月に各商店街や団体の中心メンバーが岡山に集まりました。これは、被災地間相互交流としての復興グルメF-1大会の意義を確認し、今後の運営について話し合いをすることを目的の一つに実施しました。その結果、被災地の方々を中心とした「AMDA復興グルメF-1大会運営事務局」が発足し、本大会から開催地と運営事務局の主催で開催されました。
第6回開催では、開催地と運営事務局、近隣の被災地が相互に協力し合い、素晴らしい大会を開催することができました。次回第7回は、7月13日に、岩手県陸前高田市で開催します。

第6回復興グルメF-1大会と岡山からのボランティアバスツアーを運行


イペントブースで復興グルメ販売のお手伝い

震災から3年以上が経過し、被災地の情報が少なくなる中、多くの方に、東日本被災地に気軽に足を運んでいただき、被災地の現状を知っていただく機会として、また改めて被災地の現状についについて考え、今後発生しうる南海トラフ地震などに備え、災害に対する危機管理について考える機会として、さらには岡山からの支援メッセージを届ける意味も込めて、第4回復興グルメF-1大会の開催から、大会ごとに準備、運営を行うボランティアツアーを運行しています。
第6回大会でも同様に4月11日に岡山を出発し、車中2泊、宿舎1泊という強行スケジュールで、高校生から70代の方まで、全40名が参加しました。会場ではテント設営から当日の会場受付、ブースの手伝いなどを行い、そのほかにも地元の方などとの交流会も行われました。次回は7月に運行予定です。

参加者の感想(一部抜粋)
高校生の参加者

今回初めて、被災地を訪問しました。テレビでは伝わらない光景が目の前に広がっていました。直接震災の話を聞くことは、テレビなどから聞くより鮮明で、とても心に残りました。被災地というと暗い印象があったけれど、イベントで出逢った被災地の人たちは元気で、明るくて自分のほうが元気づけられました。またぜひ、参加したいです。

大学生の参加者

高校生から大人の方まで、同じ思いを持った人たちと一緒に活動することができて本当によかったです。私自身、東北は何度かボランティアできていますが、今まで参加したボランティアは泥出しとか、遺品さがしとかつらい思いをすることが多かったです。でも今回ボランティアバスで、一緒に被災地の人とイベントを作って盛り上げて、今までで一番楽しいボランティアの経験になりました。また皆さんと一緒に、東北を訪れたいです。


ボランティアバス参加者のみなさん

第7回復興グルメF-1大会ボランティアバス 参加者募集!

第7回復興グルメF-1大会の開催に合わせて,AMDAではボランティアバスを運行します。イベント前日の会場設営や、当日の運営をお手伝いいただくボランティア活動です。その他にも、被災地の見学や、被災地の方やイベントボランティアの方たちとの交流会も予定しています。第7回の開催地は岩手県陸前高田市。たくさんのご参加をお待ちしております。
【参加費】 AMDA会員10,000円、非会員12,000円(バス代、宿泊代含む。食事代、ボランティア保険料は含みません)

【スケジュール概要】
7/11 19:00 岡山駅発(車中泊)
7/12 12:30 岩手県陸前高田市高田小学校到着
イベント準備後、被災地視察 16:45 復興支援について考えるボランティア研修会 18:00 夕食交流会 20:30 宿泊施設到着(宿泊施設泊)
7/13  6:00 宿泊施設発 岩手県陸前高田市高田小学校到着 イベント運営・撤収
16:00 出発(車中泊)
7/14  9:00 岡山駅着

(お問い合わせお申込みはAMDAボランティアセンターまで)

 

東日本大震災復興支援活動の軌跡(2013年12月〜2014年5月)