長期事業 インド、ブッダガヤAMDAピース・クリニック(2011/1発行ジャーナル1月冬号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

長期事業 インド、ブッダガヤAMDAピース・クリニック(2011/1発行ジャーナル1月冬号掲載)

長期事業 インド、ブッダガヤAMDAピース・クリニック

 


無料キャンプ実施の様子

AMDAピース・クリニックがあるインド、ビハール州ブッダガヤは、釈迦が悟りを開かれた仏教の聖地として世界遺産に登録されているため建築物は仏教施設に限られています。当クリニックは、岡山市の日蓮宗太生山一心寺のご協力を得て、現地に信託財団を設立。一心寺インド分院に隣接して建設され、2009年11月、インドの伝統医療であるアユルヴェーダ―治療を提供するクリニックとして開院しました。海外からの観光客にアユルヴェーダーマッサージを提供し、その収益で地元住民に医療サービスを提供することを目的としています。現在は、スリランカ人のアユルヴェーダ―専門医師に加え、セラピストと助手が常駐しています。

同クリニックの院長であるクサラ医師からのレポートによると、同クリニックは周辺村落との相互関係を築きコミュニティ医療活動を開始するためのプログラムをいくつか打ち出しており、その一環として、2010年10月20日、ブッダガヤから3キロ離れたモチャリ村(人口2000人)において無料診療キャンプを実施しました。目的は、?AMDAピース・クリニックに来院できない人々に援助の手を差し伸べること、?モチャリ村の村民にアーユルヴェーダ・セラピーを紹介すること、?貧しい人々とAMDAピース・クリニックとの橋渡しをすること、です。この日受診した患者数は105人で、主な症例としては、関節炎、胃炎、咳及び風邪、頭痛、皮膚病及びアレルギー症状、喘息及び気管支炎、などが見られました。クサラ医師によると、モチャリ村でこのような無料診療キャンプが行われたのは初めてなので、村民は朝からAMDAチームの到着を心待ちにしていたとのこと。AMDA医療チームが一致協力して働いたことで、村民はAMDAピース・クリニック及びアーユルヴェーダーという医療方法に深く関心を示したそうです。村からは、毎月このような無料医療キャンプを実施してもらえないかという要請がありました。

また2010年11月23日には、AMDAピースクリニック開設1周年記念式典が行われ、これを機に地元の医師と協力して口唇口蓋裂の手術を行いました。一回の手術で治療を終えると診断された3カ月の赤ちゃんから、3〜5歳の幼児、そして貧しくて長年手術を受けることができなかった23歳と35歳の女性など、合計7名に手術を無料提供しました。とくに35歳の女性は、長年の苦しみから解放されたことをとても喜んでくれました。

AMDAピースクリニックはこれからもインド連邦で最貧州であるブッダガヤの人達のために医療支援を続け、今後は現地医師会などと協力して、超音波診断装置など必要な機器と訓練された医療スタッフで運営される救急医療センターとして当クリニックを整備していきたいと考えています。