ウクライナ人道支援活動:避難所で暮らす人たちの今(2025/7発行ジャーナル夏号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ウクライナ人道支援活動:避難所で暮らす人たちの今(2025/7発行ジャーナル夏号)

ウクライナ事業担当 岩尾 智子

 6 月、ウクライナ人道支援活動の初期から一緒に活動している現地協力団体『メドスポット』の理事長、アンドラッシュ医師とオンライン会議を行いました。AMDA は同団体に対して医薬品を中心とした支援を行っています。今回、丁度、アンドラッシュ医師が避難所で活動中であったため、その様子を見ながら、避難者と画面越しに話すことができました。

インタビューに応じてくれた避難者の男性(右)

 ロシアとの国境近くから電車でウクライナ西部ウジホロドに避難してきた男性は、妻と高校生の娘とともに、3 メートル四方の個室で、2 年以上、避難生活を続けています。アンドラッシュ医師によると、この避難所はシャワーとトイレは共同であるものの、環境も衛生面も恵まれているといいます。

 娘は避難前に通っていた学校のオンライン授業を受けており、妻は、仕事を見つけ、日中は働いているとのことでした。男性には持病があり、部屋にいることが多いそうです。男性は、「日本の皆さんには、このような状況を絶対に経験してほしくありません。支援に感謝しています」と話しました。

明な状況に日々不安を募らせています。さらに、支援団体の数が明らかに減少しており、自分たちが忘れられていく恐怖もあります。“ 毎朝ベッドを整えても、何をしていいかわからない ” といった声も聞かれます」と語りました。

 アンドラッシュ医師は、「中東に注目が集まる中、活動継続のための資金調達が厳しい状況です。一方、地元の医師が負傷者の治療のために戦地に向かったり、海外に避難したりと、医療は手薄な状態。今では、私たちがかかりつけ医のようなものです」と支援を継続する意向を語りました。

 AMDA はメドスポットをはじめとする現地協力団体とともに、ウクライナを継続的に支援していきます。