12月22日インドネシア・ジャワ島バンテン州で発生した津波及び、12月21日スリランカ・北部州キリノッチで発生した洪水により被災した方々への緊急支援活動のため、AMDA本部より派遣されたインドネシア 神倉 裕太郎 調整員、スリランカ 山崎 秀明 看護師の2名による活動報告を1月9日AMDA本部にて行いました。
【インドネシア津波被災者緊急支援活動報告~神倉調整員】
神倉調整員は、12月22日に発生した津波の被害状況を受け、26日日本を出発、翌日にジャワ島バンテン州で活動するAMDAインドネシア支部先遣隊と合流し、医師・看護師による健康診断などの医療支援や物資支援を行いました。
AMDAチームは、津波が襲った海岸周辺の地域などに入り、ガレキで足を怪我した人や持病が悪化した人などを巡回診療しました。チームが診療した被災者の方たちの中には家族や知り合いを亡くされた方もおり、今後の心的被害の対策の必要性を痛感しました。
神倉調整員は「日本も地震などの災害が多いが、実際にインドネシアの災害に接し、他人事に思えず、AMDAインドネシアチームともこれから災害が起きた時は、お互いに助けあっていこうと話しました。今後日本でも南海トラフの発生が想定され、備蓄も被災者全員のニーズに適っているか支援を考えていかなくてはならないです。支援中は笑顔で被災者に接し、子どもも笑えば親も笑い、被災者全体の気持ちも明るくなることに気付きました。」と述べました。
【スリランカ洪水被災者緊急支援活動報告~山崎看護師】
山崎看護師は、スリランカ北部州で発生した洪水被害状況を受け、12月27日に日本を出発しました。翌日には発生直後から活動するAMDAスリランカ支部と合流し2次隊として参加しました。活動の拠点であるキリノッチ県カンダーワレイ郡とジャフナ県で家庭訪問を行い、衛生面などの医療支援と物資支援を行いました。
山崎看護師の感想として「死者数が2人だったことは、洪水発生直後から、スリランカ政府が住民を避難させ、避難後に徐々にダムの水を放水していったことなど洪水対応が的確だったためだと思います。病院も、洪水直後より巡回診療を開始するなど組織的な活動を実施していました。更に、普段から避難訓練を行うなど市民レベルでの意識の高さ、支援者・被災者間の距離の近さによるニーズ把握の正確さを感じました。今回の活動地キリノッチは、AMDA平和構築プログラムの関係のある地域で、1983年から26年間のスリランカ内戦により負傷した方もいる中で被災され、身体的、心理的にもダメージが大きいなど、事前の情報が共有でき、被災者へのケアにつながったことが良かったと感じています。靴の配布では子供の足に合わせたサイズを準備するなど、被災者のニーズに合った物を提供できたことや、発生直後に支援活動を開始していたところに感銘を受けました。日本も洪水、地震の被災経験があり、スリランカと今後も協力していけたらと思います。」と語りました。