〜相互扶助の精神で、地域と共に〜 (2/2) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

〜相互扶助の精神で、地域と共に〜 (2/2)

AMDAボランティアセンター事務局長
AMDA中学高校生会担当 竹谷和子

前回に続き、新田真子さんから寄せられた記事の後半をご紹介します。


AMDA中学高校生会2016年卒業
RSK山陽放送2020年入社 新田真子

◆西日本豪雨◆
2018年7月、西日本豪雨で地元岡山が大きな被害を受けました。


(倉敷市真備町浸水の様子)


大雨特別警報が発令された7月6日の夜、当時大学3年生だった私は東京におり、岡山の家族や友人にすぐに連絡を取りました。その時返ってきた言葉は「テレビやラジオの報道を見て、避難するかしないかちゃんと判断するから大丈夫だよ」というものでした。折しも就職活動が始まった時期。小学生の頃からの夢だったアナウンサーとして働くことができるなら全国どこでも頑張りたいと思っていました。しかし、その言葉を聞いた時に、地元の大切な人達を守ることができる言葉を伝えられる人になりたい、「絶対に岡山でアナウンサーになりたい」という強い思いを抱きました。


(避難所に向かっているAMDAスタッフ)

(被災後直後の真備町)

AMDAの皆さんの活躍を連日ニュースで拝見していた私は、10か月後、倉敷市真備支所を訪ね、話を聞きました。西日本豪雨が起こる前の防災マップ、そして災害後に新たに作られた防災マップ、決壊した小田川、水がやってきた高さを示す跡、壊れてしまった家屋…。その中でも大きな衝撃を受けたのが、真備町の支援物資受け取りセンターにあった「思い出と一緒に捨てる我が家」と書かれた短冊です。これは地元の小学生が書いたものなのですが、その文字に込められた思い、そして示されている災害の恐ろしさに、涙が溢れました。災害はいつやってくるか分からないもの。一瞬にしてそれまでの日常を奪ってしまう恐ろしいもの。災害を未然に防ぎ、災害が起きたとしても被害を最小限に留めたい。私の防災に対する意識はAMDAでの活動によって培われたものだと思っています。中学高校生会で防災に関して多くの事を学び、考察してきたことにより、故郷での大きな災害にも目を背けず、真剣に向き合う事が出来ました。

◆アナウンサーとして入社した今◆
2020年4月、念願のRSK山陽放送に入社しました。現在はデビューの日に向かって研修を受けています。先輩方と一緒に岡山・香川を盛り上げるべく、挑戦をしたいことが沢山あります。岡山・香川の魅力を伝えること、地元を盛り上げるために挑戦を続けている方の想いを伝えること、守られていくべき素晴らしい伝統工芸などの職人の想いを伝えること、勇気を与えてくれるアスリートの姿を伝えること。そして何より、大好きな岡山・香川の生活を守る情報や言葉を伝えていくこと。岡山・香川にいつ大きな災害がやってくるか分かりません。その時に備え、可能である限り被害を最小限に留めることができる策を考え、発信したいと思っています。これからもAMDAで学んだ「相互扶助の精神」、そしてRSK山陽放送の社是「地域とともに」を心に、地域に寄り添うアナウンサーを目指します。

◆最後に◆
AMDA中学高校生会のメンバーとして活動した経験は、私の価値観を変え、進みたい道を切り拓いてくれました。中学生高校生の皆さんにAMDAで様々なことを学び相互扶助の精神を身に付け、自身の可能性を広げて欲しいと思います。共に考えを深め合った仲間、そして私達に多くの知識や経験を共有してくださったAMDAの皆様に感謝を申し上げます。