小山代表取締役(左)、金田統括部長
岡山県内に「こやま薬局」11店舗を展開、薬剤師54人を抱える地元では大きな薬局グループに成長した株式会社ケイ・クリエイト(岡山市南区並木町)。代表取締役の小山敏章様と統括部長の金田崇文様に「薬局のあるべき姿」や「経営理念」などを伺いました。
AMDA
各店舗に募金箱を設け、お客様から浄財を集めて2009年7月から毎年、AMDAに寄付を頂いています。心より感謝を申し上げます。この取り組みを提案されたのが金田様と伺っていますが、AMDAへの思いを聞かせてください。
金田様
まず地元・岡山に本部があること。次に常に多くの国内外の災害などへの支援を非常にスピーディーに行なっていることに感銘を受けています。しかも、国連経済社会理事会総合協議資格を取得されており、国際舞台で提案できる組織である事も支援を継続している理由の一つです。AMDAの活動が、助けを求める人たちに医療を提供する薬局の業務と共通の点があることに親しみも感じています。
AMDA
東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨の際、金田様は災害支援担当として被災地に出向かれています。活動内容を教えてください。
金田様
東日本大震災の際はJMAT(日本医師会災害医療チーム)の一員として、宮城県石巻市に派遣されました。熊本地震では震度7を2回記録した益城町に、西日本豪雨では岡山県真備町にそれぞれ県薬剤師会から派遣要請を受けて現地入りしました。医薬品相談や避難所換気調査、水道水の衛生管理などに携わり、AMDAの方と情報を共有もしました。しかし、現地では精神的にダメージを受けた避難者と会い、薬剤師として新たな課題を突き付けられた思いもしました。
AMDA
ところで「ケイ・クリエイト」の社名の由来を教えてください。
小山様
英語で「K・CREATE」と表記します。「K」は私の名前の頭文字を付けました。
AMDA
各薬局では「健康教室」「県民の栄養相談」など従来の薬局の枠を超えた活動にも積極的に取り組まれていますが、「薬局のあるべき姿」はどのようにお考えですか。
小山様
特別なことではなく、かつての本来の薬局の姿に戻り、地域住民に身近な相談相手となれる「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」を目指して努力しています。業界は「保険調剤」が主流となり、一方では大量販売をするドラッグストアが増加しました。本来薬局が担うべき地域への関わりが少なくなってきていると感じています。これを本来あるべき姿に戻す転換期を迎えています。私たちは地域へ責任を持ってその役割を果たさなければなりません。
AMDA
経営理念と今後の抱負を聞かせてください。
小山様
店舗を増やすことにこだわってはいません。企業としての社会的な存在価値を高め、薬局のあるべき姿を目指し、医療や健康にかかわる人財を育成していきたいと考えています。