第3回スリランカ平和プログラムとおかやま国際塾 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

第3回スリランカ平和プログラムとおかやま国際塾


2013年8月23日から3日間。スリランカの旧首都のコロンボ及び近郊で、内戦30年後の社会統合を目的として、中学生を対象とした第3回スポーツ、アートそして宗教交流を実施。仏教、ヒンズー教、イスラム教そしてキリスト教。シンハラ人、タミール人そしてイスラムなどの「多様性の共存」の第一歩はお互いを知り合い、尊敬することである。 コロンボ市内の中学校7校に日本から佼成学園生徒20名が参加。開会式では両国の国旗掲揚。スリランカ国歌に続き、日本国歌「君が代」が流れ、生徒が立派に歌ってくれた。「国旗、国歌とパスポート」は国民主権国家の3点セット。このセットを持てない人たちが難民である。佼成学園生徒は全体の雰囲気を盛り上げて交流推進に大貢献。昨年に続き、AMDAとライオンズクラブ合同無料診療をカミラ心身障害児施設で実施。1984年に80のライオンズクラブの協力によって設立、運営されている。社会復帰可能な入所者数50名。職員数23名。年間費用は6百万円。私の誕生日12月29日の夕食費5千円を寄付。貧者の一灯である。おかやま国際塾生3名が参加し、プログラムのお世話と当施設で障害児対象に歯磨きと手洗いの衛生教育を実施後、一緒に紙飛行機を作り交流した。AMDA-Kidsプログラムの対象として今後の交流プログラムを考えたい。

開会式では、共催者であるReligions for Peace(RfP)加盟の各宗派の代表に加えて、シルビア灌漑大臣が宗教者平和連盟代表として出席。日本政府の要請を受けてAMDAが医療和平活動を実施した2003年から2006年まで3年間、保健大臣だったシルビア氏には貴重な助言と指導をいただいた。これをご縁と言わずして何だろうか。閉会式には、教育サービス局からディサナヤケ局長が出席。第1-2回AMDA平和プログラムを実施したアナダーラプラ市の市長の御子息である。「内戦後の国民の融合と調和に子ども達の果たす役割と日本からの参加」を大いに評価された。「子ども達の友情は永遠です」との酒井教雄佼成学園理事長の挨拶は感動的だった。
おかやま国祭塾はAMDAと岡山大学の包括協定(2005年)にもとづいて、グローバリゼーションに対応できる人材育成を目的として2010年に発足。2011年にモンゴルに8名を派遣。2012年はインドネシアに3名を派遣。グローバリゼーション対応の第一歩は異文化理解、第二歩はコミュニケーション能力形成である。「可愛い子には旅をさせろ」「獅子は我が子を谷に突き落とす」などの格言は「困難を経験することからのみ得られる智慧」の大切さを示唆。「鉄は熱いうちに打て」とは至極名言。「学生が海外で病気をしたら、けがをしたら、死んだらどうする」という妄言にも負けず、志の高い学生を次々と参加させる黒神直純教授(おかやま国際塾副委員長-法学部教授)には敬意を表したい。
何故に日本人の平均寿命は世界一なのか。何故に戦後の奇跡的経済復興はできたのか。何故に幕末に欧米の植民地にならなかったのか。アジアの人たちが日本人に訊きたい内容である。グローバリゼーション対応の教育とは少なくとも上記の3点を最初に考えさせることである。自らのアイデンティティのはっきりしない人は海外では相手にされない。AMDAの国際ネットワークが世界で活躍できる人材育成のお役に立っているとすれば望外の喜びである。