国内災害派遣調整担当 岩尾 智子
講演の様子
2020年9月24日、徳島県にある小松島中学校で「みんなで取り組む防災・災害支援~被災地で活動するAMDAの視点から~」について、生徒と先生を含む約500人に、講演を行いました。同中学校と徳島大学環境防災研究センターのご尽力により、体育館に集まった3年生だけでなく、教室にいた1年生・2年生、そして校区内の小学校・県立学校にも講演の内容が同時配信されました。コロナ禍において皆が一斉に1か所に集まることは出来ないけれど、今後の防災を担っていく大勢の方々に聞いてもらうことができました。
講演の中では、AMDA中学高校生会の学生たちが考えた、被災地でできる支援活動を共有し、南海トラフ災害で甚大な被害予測をされている高知県黒潮町を訪問した際の防災活動を紹介しました。AMDAが活動した被災地での実際の状況を写真やビデオで見せた後、災害支援は大勢の力が集まって行うものであることなど、説明しました。講演後、同中学校の先生方を対象に行われた研修では、避難所ではどのようなことがあったか、過去の事例をもとにお話ししました。
この講演は、前年に徳島県で行われた災害に関する研修会に参加しておられた同中学校の西山先生とAMDAボランティアセンター事務局長の竹谷が防災や災害対応について話す機会があったことから、実現しました。
【講演を聴いた生徒からの感想を一部ご紹介します。】
・私たちと同じ年代の子たちも活動していてすごいと思ったし、私は避難所生活をしたことがないし、段ボールベッドなんて見ることもあまりなかったので、避難所へ行ってもたくさんやらなければいけないことがあるということを学びました。
・私が一番心に響いた内容は、助けてもらう側にもプライドがあるということです。避難所生活をしている人の気持ちを考えたことがなかったので、「あ!」となりました。
・AMDAとは初めて聞いたけど、そんな形での支援の仕方があるんだと感じました。特に熊本の洪水の後は、私の思っていた以上に悲惨ですごく、心が苦しくなりました。南海トラフ災害がいつ来るかわからない今では、今までの被災者の意見を踏まえつつ、コロナウイルスという大きな問題があるので、より気を付けながら普段から生活をして、もし地震が来てもゆっくり落ち着いて行動できるようにしたいと思います。
【先生からの感想を一部ご紹介します。】
・日頃、防災への備えについて自分や家族、クラスの子たちの避難の仕方や防災グッズのことなどを考えることはあっても、避難所での生活を想像することはあまりありませんでした。ましてや避難所で自分ができることまでは、考えたこともありませんでした。実際に避難所で支援活動をされた体験に基づくお話はとてもためになりました。どうもありがとうございました。
・地元のことは地元の人が良く知っている地元主導で行うこと、行政や学校、支援団体がすること、ご近所さんの相互扶助に頼ることの判断など、考えるきっかけをいただきました。避難した場合、長丁場になり、次第に不満も出たり、無理しすぎると長続きもせず、かえって迷惑をかけることも考えながら、頑張りすぎずに、今やれることを淡々とできるように心がけたいです。