広報担当参与 今井康人
岡山ハーモニーライオンズクラブ(岡山市北区駅前町、尾﨑玲子会長)様より岡山県内の「こども食堂」に味噌や醤油などの調味料が贈られることになり、贈呈式が2020年1月21日、岡山市北区奉還町の岡山国際交流センターで開かれました。
同ライオンズクラブが全国の「ふるさと納税」を活用し、各自治体からの返礼品を県内の産官学民でつくる「AMDAこども食堂プラットフォーム」を通じ、こども食堂に配布するものです。昨年は糖度14度以上の高級津軽リンゴを頂きました。
今回、贈呈を受けた調味料は以下の通りです。
1. 味噌三昧(長野県千曲市)
2.日高根昆布だし(北海道えりも町)
3.藤男醸造富士醤油(岩手県釜石市)
4.八十八夜こめ油(三重県桑名市)
5. ゆずの村ぽん酢醤油(高知県馬治村)
以上の5種類で、それぞれ14箱です。
贈呈式は関係者25人が出席。尾﨑会長が「青少年の健全育成はライオンズの大きな活動の柱。子どもの笑顔があふれる街づくりに努めたい」とあいさつしたうえで、AMDAの難波比加理理事に目録を手渡しました。
難波理事は「子どもに少しでもおいしいものを食べさせたいというライオンズの皆さんの細やかな心遣いに頭が下がる思いです」と述べ、感謝状を贈りました。
続いて、こども食堂を代表し、赤磐市山陽の「子どもの家」の役員を務める戸川俶(はじめ)氏がお礼の言葉を述べた後、同プラットフォーム事務局長で川崎医療福祉大学講師の直島克樹氏が「こども食堂の現状と展望」と題して講演しました。
■「子どもの家」戸川氏のお礼の言葉
子どもから「給食が命」と初めて聞いて衝撃を受けました。それから子ども食堂を始め、今年で6年目を迎えました。子ども食堂の運営は経済、精神的にもストレスの多い活動ですが、その半面、子どもはやはりかわいいです。これからも皆様の支えで頑張っていきたいです。
■直島克樹・川崎医療福祉大学講師の講演要旨
子ども食堂は2019年5月現在、全国で3719カ所(全国こども食堂支援センター調査)あり、その数は年々、増加傾向です。岡山県内では50カ所で活動しています。
こども食堂の魅力の一つは数多い福祉活動の中でも珍しい「自発的な取り組み」であることです。多様な人が参加し、子どもから高齢者まで、互いに支え合う存在になれることです。
子ども食堂には「貧困対策」と「地域交流」という二つの側面があり、この両者を切り離すことは難しいものです。
一方で、課題も多く見えてきています。食材の調達をはじめとして、運営面でも大人の価値観を子どもに押し付けていることはないでしょうか。こども食堂がみんなと「笑える」地域社会構築の一歩となることを願っています。
■贈呈式に丁重なあいさつ文を頂きました。要旨をご紹介します。
◇同プラットフォーム世話人会代表(赤磐市長)友實 武則氏
すべての子どもが夢と希望を持って健やかに成長し、自身の可能性を伸ばしながら生きる力を培うことが出来るよう、今後も多くの方々のご賛同とご協力を頂きながら、支援を進めてまいりたいと存じます。
◇同プラットフォーム世話人会副代表(備前市長)田原 隆雄氏
備前市では今年1月、片上地区に新たに「こども食堂」がオープンしました。今後も各小学校単位に1カ所以上の開設という目標を掲げ、地域の皆様、関係者との協議を進めてまいります。温かい支援をお願いいたします。
◇同プラットフォーム世話人会副代表(和気町長)草加 信義氏
子どもの貧困による社会的損失の影響は非常に大きいものがあります。また、子どもの教育機会が制約されることによる「貧困の社会的連鎖」も懸念されます。AMDAの人道3原則による支援のつながりがさらに広まることを願っています。
以上