山陽学園大学大学院で「国際医療論」講義 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

山陽学園大学大学院で「国際医療論」講義

プロジェクトオフィサー 橋本 千明

ネパールでのPTSD カウンセリング育成プログラム

2019年11月~12月にかけAMDAより3名が「国際医療論」の講義を行いました。今回の講義の対象は、現役の看護師として働きながら学ぶ大学院生2名でした。講義内容はAMDAの紹介、ネパール地震、ルワンダ学校保健等の活動紹介、海外での看護活動紹介を行いました。少人数のため距離が近く率直に意見交換しながら進む有意義な時間となりました。

 

受講された学生さんの感想の一部をご紹介します。

・昨年、西日本豪雨災害で被災するという経験をしました。AMDAの相互扶助の精神「困った時はお互いさま」という考え方はや人道支援の3原則は被災した私自身に深く感じるものでした。特に「援助を受ける側にもプライドがある」という言葉は共感出来るものでした。ボランティアのなかには、被災者を弱者や可哀想な人、何も出来ない人というような対応をする人もおられました。何も出来ないから助けてあげるという感覚です。そんな他愛もない言葉や態度に苛立ち、また力を借りなければ何もできない自分やその現状に情けなく悔しい思いをしました。援助を受ける側にもプライドがある。被災という経験をして初めて本当の意味が理解できたように思います。

 

・講義のなかで私がとても共感したのは、(ネパール)地震後のPTSDのケアに関する内容です。地震後にPTSDで自殺する方が増加した現状に対して、カウンセリングボランティアの養成や障害者となってしまった方へのカウンセリングを長期に渡り支援されていたことでした。(中略)きっと被災した方は皆それぞれに抱えていると思います。でも誰にも言えない。そんな心のケアを早期にまた長期にサポートし介入されていたことは本当に素晴らしい取り組みであると思いました。

 

・過去に海外の方が入院された時に、食事で苦慮したことを思い出した。病院食は食べられず、家族が準備する1日3食の食事を食べられていた。当時は、病院食を食べてもらうためにどのようにアプローチするかを考えていた。しかし、そのような対応は間違っていた。こちらの価値観を押し付けるのではなく、相手の価値観も知らなければいけない。その人の暮らしてきた世界の価値観は、日本では経験することのない価値観かもしれない。その価値観を理解することで、必要と思われるケアに近づけることが理解できた。また、宗教・文化・習慣の異なる人々と共に過ごすにあたり、先生は「カード」と言われていたが「選択肢」を一つでも多く準備することが、お互いに折り合えるところを見出すためには重要である。これは、日常生活の中でも同様であると思う。