菅波理事長がインターアクト指導者講習会で講演 – AMDA(アムダ)
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菅波理事長がインターアクト指導者講習会で講演

AMDA広報担当参与 今井康人

岡山、鳥取、島根県のロータリアン約2700人で組織する国際ロータリー第2690地区主催の「第43回岡山県インターアクト指導者講習会」が2019年11月24日、ホスト校の岡山市北区弓之町、就実高等学校・中学校で開かれました。

AMDAの菅波茂理事長が午前の部で「AI時代における国際協力~人間能力開発」をテーマに、午後の部は「多様性の共存の可能性。ポジティブリストとネガティブリストについて」と題して講演。岡山県内の9校でインターアクト活動をしている中高校生182人が参加し、20グループに分かれて菅波理事長の講演について、それぞれワークショップで掘り下げた議論をしました。


【菅波理事長の発言要旨】


1.AI時代における国際協力

日本には古くから「義理人情」という言葉があるが、述語は最初の2字に大きな意味がある。お世話になったことは忘れず、恩返しをしなければならないのは国際社会の常識。この方法を積み重ね、AMDAは世界の32カ国・地域に支部を作ることが出来た。日本にある約500のNPGの中で、世界に支部があるのはAMDAだけ。日本で成功するには(1)他人に迷惑を掛けない(2)嘘をつかない(3)困った時は助け合うことを大切にすることが必要。

ところで、AIはものすごいスピードで発達しているが、これに伴い、日本の絶対的な物差しの一つである「偏差値」が崩れていくだろう。人間には「才」と「能」がある。「才」は目に見えない、「能」は目にみえるものだが、これらを生かす方法論は日本にはない。

AIの進展に伴って人間の評価も変わる。知識は経験によって知恵に昇華する。偏差値だけでなく、人間の持つ可能性をあらゆる角度から掘り下げていかないといけない。


2.多様性の共存の可能性

人間の考え方には「ポジティブリスト」と「ネガティブリスト」の二つがある。ポジティブリストは「しなければならない」ことを予め決めておく手法で、能率が上がる効果がある。ネガティブリストは「してはならない」を最低限のルールを決め、それ以上は何をしても良いという考え方。創意工夫や知恵が求められる。

国際的に多様性の共存を進めるためには、宗教や文化、言語、民族性など幅広い価値観がある中で、人間として「してはいけない」ことを守ることが大切。外国人と付き合うコツは信頼関係を守り、絶対に裏切らないこと。もし、これを守らないと、これまでの友好関係は即座に切れてしまう。

災害時も1週間以内は何が起きるか分からない。人間として守ることを大切にしながら、事態に応じて臨機応変に対応していく「ネガティブリスト」が必要。
 

■講演を聴かれた関係者の声をご紹介します。





★儀間 剛氏(地区インターアクト委員会委員青少年奉仕委員長)

ユーモアたっぷりの講演の中に珠玉あふれる言葉が散りばめられ、実りある楽しい時間だった。子どもたちにも国際貢献の大切さがよく理解できたと思う。





★竹内美保氏(就実高等学校・就実中学校校長)

教科書とは違った型破りの講演内容で、目からうろこが何度も落ちた感じ。子どもたちも今後の体験を通し、先生の講演内容がジワーと浮かび上がってくるのではないか。





★講演の感想を発表した森円香さん(就実高校2年生)

国際経験豊かな菅波先生だからこその観点に驚きの連続だった。ネガティブリストを持ち、自分で考えて積極的に行動する大切さを学ぶことが出来た。


■講習会の出席者全員から感想文を頂きました。その一部をご紹介します。


・才能は2つに分かれていて、異才と異能があることを初めて知った。障害があると他の才能が発達する「病気の進化」という言葉も新鮮だった。すごく良い話が聞けて嬉しかった。(おかやま山陽高校2年)


・AIが発達しても相手の感情を察知したり、人の気持ちを考えて動くことが大事なことだと分かりました。(興陽高校2年)


・まず譲れないものを持って、そのうえで相手と接していくことが大切という点を興味深く感じました。(関西高校2年)


・私は人をだましたり、裏切ったりしないようにしたい。講演内容は難しい面もあったけど、とても勉強になりました。(岡山学芸館高校1年)


・偏差値だけでなく、様々な世界があることを知ることができた。私自身を見つめ、自分のできることをしっかりと行動できるよう心掛けたい。(岡山理科大付属高校2年)

以上