10月16日からAMDAが実施してきた、宮城県丸森町での緊急支援活動が、10月31日で終了した。尚、長野チームの被災医療機関の立ち上げ支援に関しては、現在も継続している。それぞれの活動概要は以下の通り。
▶1.宮城県チームからの活動の報告 活動場所:丸森小学校避難所(宮城県伊具郡丸森町)
▶1’.宮城県チームからの活動の報告 活動場所:社会福祉法人了寿会(福島県相馬市、伊達市)
▶2.長野県チームからの活動の報告 活動場所:賛育会(長野県長野市)
1.宮城県チームからの活動の報告 活動場所:丸森小学校避難所(宮城県伊具郡丸森町)
a) 災害鍼灸活動
宮城県丸森町の避難所の一つの丸森小学校で10月16日より活動を行ってきたが、災害派遣医療チームの撤退と地元医療機関再開予定日であった昨日10月31日、AMDAは活動を終了した。
23日に開始した災害鍼灸活動も1週間が経過した最終日31日には避難所でも広く認知され、日中避難所にいらっしゃる方だけでなく、夕方以降、ご自宅の片付けや仕事などから戻られている方々にも施術を行った(延べ患者数142人)。最終日に派遣された鍼灸師3人は、希望者全員の治療を行う意気込みで午後9時までに20人を施術。既に避難所での就寝時間を過ぎていたが、避難者の方々より拍手と感謝の言葉をかけられながら、チームは丸森小学校から撤収した。また、終了後も避難者の方が鍼灸治療を受けられるように、地元の鍼灸・マッサージ・柔道整復の先生方に相談し、引継ぎも行った。
尚、10月16日からの16日間の丸森小学校での活動において、16人(看護師2人、理学療法士1人、介護福祉士1人、鍼灸師9人、調整員3人(AMDA職員含む)を派遣した。更に、東日本大震災の復興支援で現在も継続している復興グルメF-1大会運営委員である復興支援センターMIRAI様(福島県相馬市)からも現地の情報や協力者をご紹介いただくなど、ご協力をいただいた。
b) 物資支援活動
最終日前日の30日から2日間、グンゼ株式会社様より寄贈いただいた吸湿発熱肌着及び靴下を同避難所で配布。これから寒さが厳しくなる環境で避難生活を送られる避難者の方にとって今回の配布は非常に喜ばれ、中には受け取るとすぐに着用される方もいた。また配布翌日には、「ものすごく暖かくて助かりました。」という感謝の声もいただいた。
1’.宮城県チームからの活動の報告 活動場所:社会福祉法人了寿会(福島県相馬市、伊達市)
10月23日、復興支援センターMIRAI様より、断水が続く福島県相馬市・伊達市の保育園への手指消毒剤贈呈についてAMDAにご相談があった。AMDAは支援者らの協力を得ながら手指消毒剤を準備し、500mlボトル25本、1Lボトル10本、4Lの詰め替え用4パックを早急に現地に発送した。
10月29日、AMDA調整員が復興支援センターMIRAIの方々と保育園一園を訪問、園児や職員から感謝の言葉を受けた。消毒剤は25日に到着後すぐに三園に分けて使用されているというご報告と、今回の被害状況、断水時の保育園での対応、そして現在は3つの保育園で水道が使える状況だが感染症にも気を付ける必要があると、職員が話した。
■10月29日~31日AMDA派遣者 *敬称略 派遣順
岩尾 智子(いわお ともこ)調整員・看護師(米国資格)/ AMDA職員 / 35歳 / 徳島市在住 (29日まで)
山田 章博(やまだ あきひろ)調整員 / 赤磐市職員(AMDA本部に出向中) / 45歳 / 岡山市在住
今井 賢治(いまい けんじ)鍼灸師 / AMDA災害鍼灸ネットワーク代表世話人・帝京平成大学/ 54歳 / 東京都在住 (31日のみ)
篠原 大侑(しのはら だいゆう)鍼灸師 / 帝京平成大学 / 23歳 / 横浜市在住 (31日のみ)
林 篤志(はやし あつし)鍼灸師/ AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー・軒岐会/ 29歳/岡山県倉敷市在住 (29日まで)
庄子 昌利(しょうじ まさとし)鍼灸師 / 全日本鍼灸学会/ 51歳 / 宮城県仙台市在住(29日、30日のみ)
吉井 治(よしい おさむ)鍼灸師 / AMDA熊本鍼灸チーム / 51歳 / 熊本県合志市在住(30日より)
2. 長野県チームからの活動の報告 活動場所:賛育会(長野県長野市)
AMDAが支援に入っている、賛育会クリニックでは、地域医療の復興を目指し、被災をしていない同施設2階部分を利用して、「賛育会クリニック仮診療室」を立ち上げるために準備を続けている。
29日夜には、台風19号による災害が政府により非常災害に指定され、水道や電気などのインフラ復旧に対して国からの支援が入ることになった。31日には、診療再開の大きな課題となっていた排水についても、2階部分で18日ぶりに水が流せるようになった。同日、建物内のエレベータも復旧。職員が慎重に確認を重ねようやく使えるようになったエレベータに対し、賛育会クリニックの松村事務長は「初めて扉が開いた時は感動した。」と話した。
上記の復帰状況等を踏まえ、連休明けの11月5日より今まで準備してきた仮診療室での一部運用の再開を正式決定。初めは問診と薬の処方のみから始め、徐々に診察内容を広げていく予定。11月1日には、診察のシミュレーションを実施し、シミュレーション中に出てきた様々な課題(必要物品、受付方法、患者の誘導、患者情報の取り扱い、薬の受け渡しなど)に対し、賛育会クリニック職員とAMDA看護師が解決策を協議し、診療開始に備えている。
■10月29日~11月1日AMDA派遣者 *敬称略 派遣順
橋本 千明(はしもと ちあき)看護師 / AMDA職員 / 39歳 / 岡山市在住
菅原 久美子(すがはら くみこ)看護師 / AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー / 40歳 / 長野県松本市在住
松尾 昌(まつお まさる)調整員・臨床工学技士 / 諏訪中央病院 / 33歳 / 長野県茅野市在住
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