9月6日、北海道胆振(いぶり)地方を震源とする震度7の地震発生、AMDAは9月7日から29日まで、現地にて緊急支援活動を実施しました。今回の地震の被災状況を受け、AMDA支援農場*の竹内洋二氏ら5人が、9月9日と10日の2日間、被災地の方々に炊き出しを行いました。炊き出しを行った厚真町では、ほとんどの家庭で断水が起こっており、避難所での炊き出し実施に対して、喜びの声をいただきました。
以下、炊き出しチームのリーダー・竹内洋二氏による活動報告です。
AMDA支援農場代表世話人 竹内洋二
私は、今年7月に起きた西日本豪雨災害の時にもボランティア活動として炊き出しを行いました。その当時、私の地元である岡山県にたくさんのボランティアの方々が来てくださっていて、もちろんその中には北海道のボランティアの方もおられました。今回北海道で大きな地震が起きたと知った時に、西日本豪雨時に大変お世話になった岡山県民として、是非とも力になりたいと思い、すぐに現地に向かおうと決めました。すぐに炊き出しチームに声を掛け、岡山県総社市で食材を集め、9月8日夕方に北海道に向け出発しました。交代で車を夜通し不眠不休で運転し、翌日午前中に厚真町に到着しました。
北海道札幌市在住で岡山県総社市出身の横田てる枝さんと合流、AMDAの調整員として先に現地入りしていた大西氏と三宅氏とも合流し、避難所になっていたスポーツセンターで夕食時に向けた炊き出し準備を行いました。スポーツセンターという場所の条件もあり、薪を焚く場所を探すのに苦労しましたが、なんとか夕食に間に合い、岡山の新米で作った猪肉カレーをお出しすることができました。翌日10日には朝・昼・晩の3食それぞれ180人分の炊き出しを行いました。短期間でたくさんの炊き出しをすることができたのは、急な声掛けについてきてくださった炊き出しチームの4人、調理の手伝いだけでなく避難所での炊き出しについて自治体側と調整をしていただいたAMDA調整員の2人、そして何よりご自身も被災されていながら調理を手伝っていただいた避難者の方々のおかげだと感謝しています。
避難者の方々から、「おいしい」や「ありがとう」などの言葉をいただいたのも私としてはとても嬉しい気持ちでしたが、私達が10日で去ることを伝えると「明日からは私が作ろうかな」と、地元の被災者の方々の力強い様子に、心を打たれました。避難者の方々とお話しさせていただいたときに、特におうちの再建や今後の生活のこととなると、表情が暗く不安な気持ちでいらっしゃることが伝わってきましたが、「明日からは私が作ろうかな」とおっしゃった方の力強い様子に、ささやかな「希望」を感じました。
*AMDA支援農場: 東日本大震災の被災地を「食」で支えようと、個人農家を中心に農業高校などを支援農場に認定し、現在は約50の個人・団体で活動。2013年度以降、仙台市のNPO法人等に米を届けるなど、活動を行っています。