プロジェクトオフィサー 橋本 千明
2015年より、AMDAはNPO法人ルワンダの教育を考える会からの要請を受けアフリカ・ルワンダでの学校保健の知識・技術移転を実施しています。学校健診の技術移転に関しては、ルワンダ人医師の主導のもと、日本からも年に1度医師を派遣しており、ルワンダ人医学生が通訳兼アシスタントとして活躍しています。活動に参加くださった医学生よりそれぞれ所感を頂きましたのでご紹介いたします。
ビジムング・サラシェル
ルワンダ大学 6年生
NPO法人ルワンダの教育を考える会、AMDA、そしてルワンダの医師や看護師の方々にここで感謝の意をお伝えしたいと思います。ルワンダで開催してくださったサマースクールにおける栄養プログラムは、地域の人々にも我々医学生にとっても、大変実りのあるものでした。中でもこの活動を組織してくださっているカリオペ・シンバ・アキンティジェ医師に一層の感謝を申し上げます。
私はルワンダ大学の医学生ですが、今回ボランティアとして学校健診に参加したことで以下のような学びを得ました。まず、経験豊富な医師の方々とともに働くことで、限られた時間の中でいかに正確に一連の診察を行い、患者に健診についての理解を深めてもらうかを学びました。さらに、今回の健診活動に参加したことで、地域住民が現在直面している共通の健康問題について認識し、それらの多くは不衛生な環境に起因していることがわかりました。将来ヘルスケアプロバイダーとして、地域における疾病の予防を啓蒙し、人々を教育していくことが私にとっての優先課題です。というのも、病気を発症し治療に努めるよりも、病気を予防することのほうが重要となるためです。
ルワンダの若者たちに対するご支援は、彼らの明るい未来につながっていきます。感謝申し上げます。
カンタラマ・アンジェ
ギトウェ大学 3年生
学校健診の導入に取り組んでこられたAMDAの素晴らしい功績ならびに、今後予定されている活動に感謝を表します。学校健診はルワンダの子供の健康に大いに寄与する大変有意義な取り組みです。さらには医学生にとっての学びの場でもあります。ここで私は、今後の健診がさらに効率のよいものとなるために、より強力な学校健診の体制構築を提案いたします。具体的には、重度の中耳炎や合併症に罹った子供が特段の処置もなく帰宅する代わりに、病院で治療を受けられるような体制を築くことです。
最後に、ルワンダの子供たちを想い、彼らの未来が素晴らしいものとなるようお力添えをして下さったマリールイズ氏に感謝申し上げます。そして多大なる支援をしてくださったAMDAにも、重ねて感謝申し上げます。
ムウェメズ・エマニュエル・サフィナ
ギトウェ大学 4年生
まず初めに、四度目となる今回の学校健診に参加できたのは、私にとって大変光栄なことでした。医学生として私が感銘を受けたことや学んだことについて、以下に記します。
・健診は様々な病気を発見し治療するのに大変有効であることを知った。
・医学生として今回の活動に参加し、成長過程にある子供たちに何が必要なのかを把握することができた。
・ラテン語で“Mensa sana in corpore sano(健全な精神は健康な肉体に宿る)”ということわざはまさにルワンダの子供たちにとって必要な言葉であると感じた。
・また、フランス語で“l’ignorance est la source de tous les maux(無知は悲しみにつながる)”のように、治療を受けることができていたら予後は良好だったであろう多くの子供たちが、現在病気と闘いながら生活している。この課題を解決できるのは現時点でこの健診のみである。
・一方で我々医学生は、学校健診に参加することによって、ヘルニア、虫歯、心雑音、貧血のような病状の診察に必要な実践的技術を磨く素晴らしい機会を得ることができた。
・私は医師を志すことに誇りを感じています。今回の健診を通じて私は、カリオペ医師、頼藤医師、浦山医師、古賀医師、ナフタル医師にお会いすることができました。いずれの先生方も、人々の健康と幸福のために医療の実践に尽力されています。このような先生方から教えを乞うことができ、大変ありがたく思っております。
最後になりますが、ルワンダの子供たちの健康と幸福のために常に尽力されているマリールイズ氏のご厚情と、奉仕のお心を忘れることはできません。自身が代表を務めるNPO法人ルワンダの教育を考える会の活動を通じ、彼女は大変大きな貢献をしています。そしてカリオペ医師にも感謝をお伝えして、私の所感を終わりとさせていただきます。