2018年度AMDAスリランカ平和構築プログラム参加について – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2018年度AMDAスリランカ平和構築プログラム参加について

AMDAボランティアセンター事務局長 竹谷和子


AMDAスリランカ平和構築プログラムを目的に日本の生徒たち及び関係者が今年スリランカ訪問したことの中から先ず、トピックを紹介します。

今年の活動は8月3日~5日の3日間スリランカのポロンナルワで開催しました。

先ず、活動2日目、8月4日の朝のできごとです。活動中の学校(ロイヤル セントラル カレッジ)のグランドへスリランカ大統領がウォーキングスタイルで登場されました。私たちは大統領とお会いし、活動の現場を見ていただき一緒に記念撮影をいたしました。大統領との出会いはAMDAスリランカの要請に応えていただき実現しましたがとてもいい思い出になりました。
 

(後列中央のマイトリーパーラ・シリセーナスリランカ大統領とAMDA菅波代表)









8月7日スリランカ最終日、スリランカの政府機関である平和構築に関わる「国民和解局」

The Office for National Unity and Reconciliation (ONUR)代表 Chandrika Bandaranaike Kumaratunga氏(スリランカ第五代大統領 今回の訪問時は不在)を訪問しました。ONURのメンバーたちとミーティングをおこない、それぞれ自己紹介後友實赤磐市長、菅波AMDA代表からのスピーチ後ONURの活動についてビデオ等での紹介がありました。その後参加した生徒たちは今回のプログラムの説明や感想を述べました。

そして今回のONUR訪問の大きな目的として「広島県知事からの平和のメッセージ」をONURの事務局長M.S.JAYASINGHE氏 (Director Presidents office)に届けました。

その際福山誠之館高校の2名の生徒が英語と日本語で代読し参加者に感動を与えました。最後にONUR側からAMDAとMOUを結びたいという申し入れをいただきました。



もう一つのトピックとして今回、友實武則岡山県赤磐市長が特別参加をされたことです。赤磐市はAMDAと連携協定を2016年に結び今年度赤磐市は「AMDA赤磐市中学生海外研修プログラム」として市から5名の中学生を派遣されました。

友實武則市長は活動地の視察を目的に8月4日に活動地ポロンナルワに到着され、今回の活動地及び活動の様子をご覧いただきました。8月5日の朝はポロンナルワ市及び市長からの熱烈な歓迎を受けられ赤磐市とポロンナルワ市との深い友情が芽生えました。

(プログラム閉会式会場へ向かわれる友實市長)

(閉会式で挨拶されている友實市長、
両脇はシンハラ語、タミル語の通訳)








今回スリランカを訪問された友實赤磐市長よりメッセージをいただいておりますのでご紹介いたします。

今回のプログラムには、赤磐市から派遣した中学生5人を含め、計11人の子どもたちが参加し、内戦後、民族融和が進められているスリランカにおいて、現地の学生と交流し、真の平和とは何かについて真摯に学ぶことができました。私も地方自治体の長として各地へ同行させていただき、そのことが子どもたちに貴重な機会を与え、今後の成長の一助となったことをうれしく思います。

最後に、プログラムを計画、実施されましたAMDA関係者の皆さまに心から感謝を申し上げ、私のメッセージといたします。








プログラムの活動地ポロンナルワはコロンボからおよそ230Km離れた場所でスリランカ北東部に位置しシンハラ王朝二番目の都ポロンナルワ王宮地で巨大な遺跡群は世界遺産に登録され、南アジアを代表する仏教都市です。

3日間のプログラムは「ロイヤル セントラルカレッジ ポロンナルワ」で行われました。

スリランカ国内からキリノッチ、マータレー、ムトゥール、ポロンナルワそれぞれの学生達、

引率の先生達、日本からAMDA中学高校生会、岡山県赤磐市立の中学生、広島県立福山誠之館高校の生徒、赤磐市からは友實武則市長(8/5~)他市職員3名が参加しました。日本の3つのグループは一つのチームにまとまり「share our smile」をスローガンに掲げ、現地の生徒たちとの交流を深め相互理解、そして相互信頼へつなげることを目指しました。具体的な活動を紹介します。

プログラムの最初は参加者全員が4つの宗教施設(仏教、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教)を訪れお互いの宗教を知る宗教プログラムです。

 



スポーツプログラムでは男子、サッカー、女子ネットボールで交流を深めました。














閉会式では途中文化交流を挟みそれぞれの学校からダンスなどが紹介されました。

日本チームは書道と生け花を披露し和の文化を伝えることができました。



今年度「平和について考える」取り組みとして主だった3つの活動を紹介します。

1. 参加者全員が自分で考えた平和について絵を描き代表が説明しみんなで聞きあう活動。

2. 日本チームからの平和に関するプレゼンをおこない、赤磐市の中学生は日本の行事や食べ物等の紹介、福山誠之館高校からは平和に関して広島の役割、AMDA中学高校生会はこれからの平和への取り組みについて語りました。

3. 平和構築の具体的な活動としてポロンナルワには灌漑用水のため池があり、毎年多くの死者が出ていることから「命を大切に」をテーマに安全啓発ポスター作りをしました。危険防止を絵や文字(シンハラ語、タミル語、英語)で作成し、そのポスターを持ち込みため池周辺で記念撮影を行いました。











2日目の夜はキャンプファイアーで日本チームは「うらじゃ音頭」で盛り上げました。とにかく皆ダンスが好きでこの夜はスリランカの生徒たちと遅くまでブレークダンスを楽しみ、友情が深まりました。

3日間のプログラム終了後コロンボへ帰り8月6日在スリランカ日本大使館を訪問しました。

記念撮影後、友實赤磐市長、菅波AMDA代表は別室で矢野参事官と面談、生徒たちは今回のプログラム活動報告及び感想を述べ、大使館からは前川調査員よりスリランカ平和構築のお話を伺いました。









今回のプログラムについて現地の生徒100名(キリノッチ、マータレー、ムトゥールの学校各24名、ポロンナルワから28名) 日本からは11名他引率、スタッフを含め総勢140名という大変大きな大会になりました。この平和構築プログラムでの異文化理解、相互理解はかなり深まったと感じます。平和についての思いをスリランカの生徒たちにプレゼンで投げかけたことも良かったと思います。参加した日本の生徒の感想の中でとても印象的な言葉があります。「民族の違うシンハラ、タミルの生徒の手をとり笑顔になり、一緒に話し友達になった」とうれしそうに語っていた様子から日本から参加した生徒たちは自分たちの役割を自覚しスリランカの平和について考え活動していることに彼らの成長を感じます。この経験を基に国際協力に目を向けて欲しいと願います。