8月6日、豪雨が西日本を襲った日からちょうど一か月の節目の日である。本日も引き続きAMDAは、サンワーク総社(総社市)、真備公民館薗分館(倉敷市真備町)、岡田小学校(倉敷市真備町)の3か所の避難所と、真備公民館岡田分館(倉敷市真備町)の救護所で支援活動を実施した。
なお、AMDA緊急支援活動は、多くのボランティアの方々に支えられており、8月5日よりAMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム*協力自治体の一つである黒潮町から4人目となる保健師を1人派遣いただいている。今日も協力協定を結んでいる岡山県立大学から3人、玉野総合医療専門学校から2人、ボランティアとして活動に参加してくださった。
*当プラットフォームは、AMDA、岡山県、香川県、高知県、徳島県の協力自治体、協力医療機関と企業などにご参加いただいて、南海トラフ災害が発災した際、協力して被災地支援を行っていく体制のこと。
8月5日の活動レポート
5日、岡山県のご協力により岡山済生会病院で内視鏡研修を受けているモンゴル国立医科大学医師、バトラッフ ムンフバヤル氏が調整員に同行して、AMDAが支援活動を行っている避難所での活動を見学した。スタッフに冷たいおしぼりを配ったり、激励の言葉をかけた際、避難者の方とお話をする場面もあった。遠いモンゴルからの来訪者に、驚いた様子とともに、喜びの声をあげてくださる方も多かった。同氏は、今回の訪問を通じて、被災地の惨状に心を痛め、これほどの困難にみまわれた子どもと高齢者に対する心のケアの必要性を出席した総社市災害対策本部会議で強調した。
5日からスタート:岡田公民館(倉敷市真備町)救護所での医療支援
倉敷市真備町地区に総社市から災害ボランティアが派遣されることに伴い、被災地での医療ニーズが一時的に高まることが予測されるため、AMDAは看護師1人、調整員1人を派遣して、岡田公民館に設置された救護所での医療支援活動をスタートさせた。
5日には、倉敷市45人、総社市49人の計94人のボランティアが活動していた。 外傷の患者1人に対応。片付け作業を行っている途中に、木材のようなものが服の上から刺さって、服まで血がにじんでいた患者に対して、傷の洗浄を行った。加えて破傷風のワクチン接種が必要な状況が考えられたため、ちょうど巡回中であった倉敷市から派遣されたボランティア医師に協力を仰ぎ診察を依頼。医師により、早急な病院受診を勧められた。同地区で作業中のボランティアの中から熱中症患者が1人出たことも報告があった。熱中症予防への呼びかけを行っていくことも今後の課題と考えている。
倉敷市立岡田小学校避難所:AMDA災害鍼灸チームからのレポート
340人が避難している岡田小学校避難所で(3日時点 倉敷市発表)、「ケアルーム」を設置しAMDA災害鍼灸チームによる鍼治療を行っている。5日、発災から約1か月が経過し、自宅の片づけがひと段落したり、仮設住宅などの申し込み手続きを終え、結果発表を待つだけの方などもいらっしゃる。ケアルームを訪れてくださる方もいつもより多く、21人の治療を行うことができた。初診の方が5人、再診の方が16人。治療を受けた避難者の方は、ストレス過多の状態が見られるが、支援を行っているボランティアの疲労もたまっていると感じることも多く、今後も注視していきたい。
その他、7人に対してマッサージを、17人に対して足浴を行った。いずれもリピーターの方が多く、AMDAのスタッフらと顔見知りになることで、避難者の方々にとって「ケアルーム」がより身近で、気軽に利用できるスペースになっていることを実感している。
勤労者総合福祉センター・サンワーク総社 保健師による健康支援と災害鍼灸チームの活動
5日、日曜日ということもあり、いつもより避難所で過ごす方が多かったサンワーク総社の避難所にAMDAは保健師1人、調整員1人を派遣して、自治体の保健師らと連携して、引き続き避難者の医療・健康支援活動にあたった。また、午前中にはAMDA災害鍼灸チームの鍼灸師1人が4人の鍼治療を行った。
看護師による見守り対応 真備公民館薗分館(倉敷市真備町)
5日、真備公民館薗分館には、AMDAと連携協定を締結している岡山県立大学の教授(看護師)1人がボランティアとして出向き、施設の職員らとともに施設から避難した高齢者の健康支援にあたった。日中の見守りや、声掛け、トイレの介助のほか、散歩への同行など、避難者の自主性を尊重した形での健康支援活動を行うことができた。
派遣者一覧
■協力機関等からの派遣者(8月5日 総社市) *職種別五十音順
・柿内 愛(かきうち あい)保健師/AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム協力自治体・黒潮町職員/40歳
・石堂 智行(いしどう ともゆき)調整員/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/48歳
・難波 和代(なんば かずよ)調整員/地元ボランティア/29歳
■協力機関等からの派遣者(8月5日 倉敷市真備町) *職種別五十音順
【真備公民館岡田分館】
・渡邉 静(わたなべ しずか)看護師/地元ボランティア/54歳
・古城 デイジー(こじょう でいじー)調整員/岡山倉敷フィリピ―ノサークル/63歳
【岡田小学校】
・河田 里奈(かわた りな)保健師・調整員/AMDA兵庫/33歳(但し、午前中は総社)
・飯塚 美紀代(いいづか みきよ)鍼灸師/NPO鍼灸地域支援ネット/54歳
・浜野 浩一(はまの こういち)鍼灸師/NPO鍼灸地域支援ネット/53歳
・三浦 大貴(みうら ひろき)鍼灸師/関西医療大学/33歳(但し、午前中は総社)
・谷口 美保子(たにぐち みほこ)鍼灸師/朝日医療大学校鍼灸学科/32歳
・山崎 克枝(やまさき かつえ)あんまマッサージ指圧師/48歳
・藤本 瑞穂(ふじもと みずほ)調整員/AMDA兵庫/47歳
【真備公民館薗分館】
・山河 城春(やまかわ しろはる)看護師/AMDA緊急救援ネットワーク登録メンバー/43歳
■本部からの派遣者(8月5日、派遣順)
・難波 妙(なんば たえ)調整員/AMDA本部職員/総社市在住/55歳
・橋本 千明(はしもと ちあき)看護師/AMDA本部職員/岡山市在住/38歳
・岩尾 智子(いわお ともこ)看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/34歳
・神倉 裕太郎(かみくら ゆうたろう)調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/26歳
・大西 彰(おおにし あきら)調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/50歳
・アルチャナ シュレスタ ジョシ 調整員/AMDA本部職員/倉敷市在住/42歳
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