ネパール担当 アルチャナ ジョシ
2015年4月25日にマグニチュード7.8の大地震がネパール中部を襲い、ネパール各地に甚大な被害をもたらしました。地震の影響で負傷し、一命は取り留めたものの障がいを抱えた人々は数多くいます。しかし、医療機関やリハビリセンター退院後の受け皿となる自宅は倒壊し、自立した生活を送ることが難しい状況にあります。また、ネパールにおける身体障がい者は、非常に困難な状況に置かれており、自ら動くことができないうえ、家族が「障がいは病気」だと認識しており動かさないなどの要因から、結果として家に閉じこもり、障害がない部分も含めて体が動かなくなることなどから、最悪の場合はそのまま死に至る場合もあります。さらに、ネパールでは障がい者のための物理的、精神的ないわゆる「バリアフリー」の概念はまだ一般には浸透していません。以上の状況から、震災によって負傷し、障がいを持った方々、及び以前から障がいをお持ちで地震の被災者である方々に対して、支援が必要と考え、AMDAは2015年6月からネパール在住の理学療法士西嶋望さんを中心に復興支援活動を3期3年間継続して実施してきました。西嶋さんはネパール地震発生後トリブバン大学で患者のリハビリテーション指導のために派遣され、その後はネパール政府が主催となり行われた車いす製造技術研修会にもAMDAの代表として参加されました。
復興支援活動では障がい当事者の立場にたった支援を行うために、障がい者自らが参加する、ネパール地震障がい者支援事業を協力して行っている現地の障がい者団体、「ILC-Lalitpur (Independent Living Center Lalitpur)からこの度、AMDA宛に感謝状が届きました。
感謝状要約:「ILC-Lalitpurはこの3年間西嶋さんと共にAMDAとして被災地に活動できたことを心より感謝申し上げます。地震発生後にILCは、AMDAの支援のもとで100人以上の障がい者を支援することができました。活動の期間中、我々は数多くの個別訪問活動や地方出張による訪問、巡回診療を行ってきました。そのほかに障がい者の仲間同士のカウンセリング、[IDOBATA GAFU Program]井戸端会議のように障がいについて気楽に語り合えるプログラム、自立支援プログラムなども実施してきました。さらに、障がい者個別の必要性に応じて車いす、ポータブルトイレ,松葉づえ, カテーテル, ベッドシーツ、ユーリンバッグ, 衛生管理用品、医薬品などの支援に力を入れてきました。この活動で多くの障がい者に生きる希望を与えることができたと思います。これからも引き続き活動を実施することができれば幸甚です。皆様のご支援に厚く御礼申し上げます。