「復興グルメF―1大会」、「なみえ復興祭」 同時開催
東日本大震災の被災地・福島県浪江町の町役場敷地内で7日、地域活性化イベント「復興グルメF-1大会」と「なみえ復興祭」が同時開催され、多くの住民らでにぎわいました。
「復興グルメF-1大会」は、被災地の商店街から出品された自慢の逸品を来場者が味わい、投票でNO.1を決める大会。15回目の開催で、同実行委が主催し、AMDAが協賛しました。
「なみえ復興祭」は、東京電力福島第1原発の事故で全域が帰還困難区域となっていた浪江町が2017年3月31日、一部で避難指示が解除されたのを受けて企画。震災後、同町では初の復興祭となります。町民が笑顔で再会できる場を提供し、明るい未来へ踏み出す一歩として同実行委が「復興グルメF―1大会」と一緒に企画しました。
当日は岩手、宮城、福島県から「石巻の宝箱」「さんまメンチ」などを販売する11のブースが並び、雨天にもかかわらず午前10時の開会前には100人を超す行列ができる盛況ぶり。約1時間後には「売り切れ」の張り紙が相次ぎました。
特設ステージでもプロ歌手やマジシャンらが登場し、開場を盛り上げました。岡山県赤磐市の好意で、市のマスコットキャラクター「あかいわモモちゃん」を借り受け、開場で披露、子どもたちを喜ばせました。
復興グルメNO.1はNo Donco No Soma「海鮮茶わん蒸しSP」(福島県相馬市)が選ばれ、関係者らはこぶしを突き上げて喜びを表現しました。
AMDAがボランティア・バスを運行しました
AMDAは、福島県浪江町で開かれる「第15回復興グルメF-1大会」と「なみえ復興祭」を支援するため、現地へ向けボランティア・バスを運行しました。
参加した17~71歳の22人は10月6日夜、JR岡山駅西口をバスで出発。翌7日朝に浪江町に到着し、各ブースに入って来場者にグルメの購入を呼び掛けるなどした後、会場の後片づけを手伝いました。
8日は浪江町を巡るスタディーツアーを実施。町役場で街の復興状況などを学び、車中では地元で地域コーディネーターを務める押田一秀さんらから地域産業の育成などの取り組みを聞きました。
参加者は避難指示が解除された商店街でも閉鎖した店が目立ち、買い物客を全く見かけない状況に驚きの表情を見せていました。
帰途の車中ではボランティアの意義やツアーの感想などを話し合い、参加者からは「帰還困難地域はまだ80%も残っている。早く元の状態にもどってほしい」「本当の復興はこれからが本番と感じた」―などの意見が出されました。