AMDA ネパールによるネパール南部で発生した洪水救援活動報告 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDA ネパールによるネパール南部で発生した洪水救援活動報告

8月11日から降り続いた大雨によりネパール南部地域(タライ平野)で発生した洪水、地滑りは多くの人的・物的被害をもたらした。20日現在、ネパール内務省の発表によると死者143人、行方不明者30人、負傷者43人、44,683世帯が避難生活を余儀なくされている。また、79, 812軒が全壊、144, 444軒が半壊もしくは建物の一部に被害を受けている。AMDAネパールによると水はほとんど引いているが、被害を受けた住民は今も避難生活を強いられている。この状況を受けAMDAネパールは政府の指示のもと、被災自治体や地方保健所と連携し8月19日から救援活動を開始している。

AMDA ダマック病院とAMDAメチ病院が位置するジャパ郡とその隣のスンサリ郡の多くの村で洪水被害を受けている。各病院の医療者からなる10人から15人の合同医療チームを結成し、19日から23日まで洪水被災者に対する医療支援活動を計画しており、避難所や村の診療所計5か所で巡回診療を実施中。患者数は一日平均300人前後となっている。

また、カトマンズから南西に車で約6時間のところに位置するナワルパラシ郡も洪水の被害を受けており、18日から22日の5日間にわたり隣のルパンディヒ郡ブトワル市に位置するAMDAシッダールタ母と子の病院から医療チームを被災地に派遣した。医療チームは避難所で巡回診療を実施しており、患者数は一日平均350人前後となっている。

診察した患者の多くに皮膚疾患や胃炎などの消化器系疾患が見られ、かぜ症状を訴える人もいた。診察を受けた患者からは、川沿いにある村なので洪水被害が大きい地域。都市部から距離が離れているにも関わらず駆けつけてくれたAMDAネパールの医療チームに感謝している。被災後初めて駆けつけてくれた医療チームだ、という声が聞かれた。

現時点で感染症の蔓延は報告されていない。今後もAMDAネパールは被災地の状況を注視していく。