インドネシア 口唇口蓋裂無料手術プロジェクト – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

インドネシア 口唇口蓋裂無料手術プロジェクト

2017年5月8日から9日かけて、今年で3度目となる口唇口蓋裂無料手術がインドネシアのスラウェシ島南部バンタヤン(Bantaeng)地区で行われました。毎年恒例となったこのプロジェクトはAMDAが長い間活動を共にしてきた台湾IHA(Taiwan International Health Action)と合同で行うものです。AMDAと台湾IHAは、インドネシアに限らず、スリランカやインド、トルコなどで歯科プロジェクトや斜視手術を行うなど、これまで様々な活動を共に行ってきました。そんな中、AMDAインドネシア支部が今年の口唇口蓋裂プロジェクトの対象地にバンタヤン地区を選出し今年度の活動が決定しました。

昨年に引き続き、今年も台湾のNoordhoff Craniofacial Foundation(NCF)とチャングン記念病院の多大なる協力を得て、口唇口蓋裂に苦しむ人々に無料の整形外科手術を提供しました。三日間に及んだ今回のプロジェクトは、AMDAインドネシア支部が持つ、地元行政を含む広域的なネットワークにより実現したといえます。

台湾から11名からなる医療チーム、AMDA本部からコーディネーター1名がマカッサル国際空港に到着後、バンタヤンまで陸路を三時間かけて移動しました。今回会場となったのは、新しく建設されたバンタヤン総合病院です。台湾から到着したチームは前出チャングン記念病院の医療スタッフから構成されており、その内訳は整形・再建外科医が3名、麻酔科医が2名、手術室看護師が4名です。これに台湾IHAとNCFの代表者がそれぞれ加わって形で台湾医療チームは構成されていました。また、現地ではマカッサルのセレベス・クレフトセンター(CCC)から優秀な5名の口腔顎顔面外科医と4名の麻酔科医が加わり、現地の手術室看護師10名のサポートを受けて手術にあたりました。

5月8日、朝から手術希望者全員のスクリーニングが行われ、対象者を二日間の手術日程に分けました。診断では、口唇口蓋裂に付随する様々なケースが見られ、中には高度な口蓋形成手術が必要とされるものもありました。












同日8日には13名、翌9日には10名、計23名の患者に対する手術が二日間に渡って朝から晩遅くまで行われました。

23名のうち、20名は1歳から3歳の子供で、全患者の男女の数は男子6名、女子が17名でした。会場となったバンタヤン総合病院は近代的な手術室を完備しており、手術は二つのベッドから成る手術室二部屋を使って行われました。












また三日目の朝には、チーム全員が地元の知事から朝食の歓待を受けました。
同病院の院長と地元の知事はAMDA、台湾IHA、チャングン記念病院とNCFの医療チームに謝意を表しました。知事主催の謝恩会の席で、AMDAインドネシア支部長からプロジェクト参加者一人ひとりに感謝状が手渡され、また手術を受けた本人をはじめ、その家族から、「当人や子供達の人生に大きな転機をもたらしてくれた。心から感謝したい。」との温かい言葉が贈られました。







前回、更新口蓋裂手術を受けた患者の写真も紹介され、最近彼らのもとを訪れた看護師の話では、その多くが自信を取り戻し、幸せな日々を送っているということです。