インド洋を通過したサイクロンの影響により、12月21日から23日にかけてインドネシア、西ヌサ・トゥンガラ州は大雨に見舞われた。西ヌサ・トゥンガラ州災害対策機関によると人口10万人以上が住む州内の33地域が洪水により浸水した。AMDAインドネシアはただちに支援活動を行うことを表明し、AMDA本部の協力の下、AMDAインドネシアより医師2名、医学生1名と調整員1名を被災地に派遣することを決定した。
移動前に医薬品、医療資材や被災地での活動に必要な日用品を準備し、12月28日にはスラウェシ島から被災地に移動。AMDAインドネシア支部の医療チームは空港から活動予定地への道中、洪水による被害の大きさを目のあたりにした。被災地に到着した医療チームは、被災地の団体、グループと協力し、12月29日、30日の2日間、巡回診療を行った。
12月29日には、西ヌサ・トゥンガラ(Nusa Tenggara barat[NTB])州ビマ(Bima)県ラバ(Raba)市ペネラガ(Peneraga)地区の海洋水産署と地元モスクの協力を得て、地域住民に医療サービスを提供した。12月30日はアルラヒム(Ar-Rahim)モスクと協力し、ラバ市サジア(Sagia)地区にて1日目と同様に医療サービスを提供した。
2日間を通して計280名(1日目151名、2日目129名)の患者を診療し、医療サービスに加えて、被災地の子どもたちには風船などのおもちゃを、大人たちには本を配布した。被災地に駆けつけた医療チームは、新年を被災者と一緒に迎え、翌日、帰路についた。
この洪水による死者は幸いにも報告されていないが、今後もAMDAインドネシアを通じて現地の様子を注視していく。