10月23日、岡山医療センター小児外科医長の中原康雄医師がアフリカ・ルワンダでの学校健診結果を基にした「小児医療の現状」と題した講演を、岡山国際交流センターで行いました。
中原医師は、AMDAが申請した岡山県平成28年度国際貢献ローカルトゥローカルの事業派遣としてルワンダに行ってくださいました。
中原医師は9月4日から9日までルワンダを訪問。
学校健診が行われていない同国では日本人として2回目となる健診を実施したほか、小児外科医療への支援と医学知識の伝達、母子健康手帳の導入へのサポートなどに尽力されました。
訪問したミビリジ病院では多数の患者に対し医師が極端に少なく、心電図などの機器も整備されていない現状を指摘。
新生児の死亡原因は早産、仮死状態、感染症などが上位を占めるデータを示されました。
さらに「健診の効果が薄れないよう、その後のフォローが大切」と強調されました。
厚生大臣や教育大臣とも面会し、健診と母子健康手帳の重要性を説明し、理解を得られたと述べられました。
ルワンダへの今後の取り組みとして「自己満足にならない継続的な支援」と「医療教育システムの構築」の必要性を呼び掛けられました。
ルワンダは1994年に国内で民族紛争が勃発。750万人の人口のうち50万人が虐殺される事態となり、死体が山積みとなった画像が世界に流され、衝撃を呼びました。AMDAでは多国籍医師団による緊急医療支援活動を開始。
その後も、ルワンダ医師を岡山市に招へいして学校保健の研修機会を提供するなど継続的な取り組みを行っています。
AMDAボランティアセンター参与
今井康人