9月7日ラオス首都ヴィエンチャンからバスで40分ほどのタゴーン近郊にある
クリーン農業開発センター(Clean Agriculture Development Center)をアムダグループ代表菅波とフードプログラムスタッフ浅田他1名が視察訪問しました。ここを訪問することにした理由は、JICAのプロジェクトでアムダ野土路農場もある岡山県新庄村に農業視察に訪問していたラオスの人たちが勤めており、是非見学に来てくださいと言ってくれたことから始まります。クリーン農業開発センターの代表であるセンケオ氏からプロジェクトについての説明を受けました。
LPPA(Lao pilot program in Asia)というプロジェクトに取り組んでおり、Organic(有機農業)5haとGAP(Good Agriculture Practice)12haの二つの圃場があります。Organicの圃場では農薬・化学肥料を使わずに葉物野菜と果樹を育てており、GAPの圃場では、土壌や水環境に対する汚染を減らすことを目的としており化学肥料を減らし葉物野菜やトウモロコシを育てています。
それぞれの圃場はどちらも屋根のある畑で栽培を行っており、雨期の間は水があるが乾期は水不足が問題だそうです。また有機農業では認証を取るためには、土・水・作物に残留農薬がないかを調べますが、分析機械がラオスにはなく、隣国のタイまでサンプルを送って調べてもらっているそうです。
センケオ氏は、これらの2つのプロジェクトに参加してくれる農家をそれぞれ集めてグループを作っていくことを目標にしているが、農家には「作った農作物はどこに売れるのか」と聞かれるが、現在は大きなマーケットがなく、地域の市場で販売しているのみであることが悩みであると話してくれました。地元の市場でも有機農産物の評価は高く慣行栽培農産物に比べて1.5倍の価格で売れるそうです。
アムダグループ代表菅波からは、アムダインドネシアマリノ農場でお米の収穫量が増加し今までより高く販売でき、農家も喜んでいることを紹介しました。
農場を案内してくれたコロー氏は、「ラオス政府は有機農産物の輸出を重点政策としており、ASEANでは2018年には関税がなくなる、有機農産物の需要は高く、今後カンボジアやタイなどの隣国からバイヤーが大勢来て農産物を買ってくれるだろう。そのためにも取引してもらえるように生産量を増やさなければならない」と情熱をもって語ってくれました。
アムダフードプログラムでは新庄村のアジア有機農業連携活動推進協議会と連携して、アジアの国々の有機農業の推進に取り組んでいます。今後ラオスでの有機農業の発展にも寄与できる可能性を大きく感じる農業視察となりました。
■訪問者 プロフィール
菅波茂/AMDAグループ代表/クアラルンプール在住
浅田歩/AMDAフードプログラム技官/岡山県新庄村在住