2015年4月25日に発生した大地震はカトマンズを含む多くの市町村に大きな被害をもたらしました。AMDAは、支援の届きづらい被災地にも医療支援を届けるために、トリブバン大学教育病院と合同でアウトリーチクリニック(健康支援事業)プロジェクトを実施しています。
このプロジェクトは、身体的・精神的・社会的な包括的保健サービスの提供と目的としており、直接的な診療などの医療サービスに留まらず、衛生指導やカウンセリング、高齢者や子供、障がい者などの災害弱者に対する支援も含まれます。さらに、地域保健事務所と連携することで継続的な支援を提供しています。
5月2日から6月26日までの約2か月間で、のべ37日に渡り、被害の大きかった地域の一つであるシンドゥパルチョク郡チョータラを中心に支援の必要な地域で医療支援活動を行いました。約1週間ごとに医療チームを被災地に派遣し、患者の診療を行います。1つの地域で平均150人程度の患者を診察し、のべ74人の医療スタッフで1352人の患者の診療にあたりました。疾患としては、外傷、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、下痢、呼吸器疾患に加えて、心臓疾患や婦人科系の症例も見られます。
AMDAはトリブバン大学教育病院と合同で、このプロジェクトを発災から1年を目安に継続し、今後も被災者のニーズにこたえていく予定です。