AMDA・日本医師会合同支援活動として、6月に発生した粉じん被災者に対する医療調査に訪れたAMDAグループ代表菅波茂医師と氏家 良人医師(日本集中治療医学会理事長、川崎医科大学救急総合診療特任教授、岡山大学名誉教授)は、滞在中、現地台湾メディアなどから多くの取材を受けました。このことからも今回の医療調査と今後の支援活動に向けて、日本からの支援について台湾の方々が大きく注目していることがわかります。
以下、現地メディアに掲載記事に紹介されていた内容を一部抜粋して紹介します。
現地メディア「メガシェア」記事
八仙ウォーターパークで粉じん爆発事故が起きて五日目に、日本の医師会より2名の医師が台湾に派遣された。彼らは內湖にある三總及び台北榮總病院へと負傷者を視察。同時に台湾側の人力状況と、どういった医療物資が必要かを確認。その上で、「日本側としては必要な人力や物資などは惜しみなく、限りなく協力する」と述べた。この発言に本当に感動した。日本集中治療医学会理事長氏家良人氏によると、必要な物資の主な項目として、人工皮膚、シリコンビーズベッド、これらの在庫を調べ調達、その他、日本承認の人工湿潤療法を無償で提供、更に、一床200から300万台湾元もするシリコンビーズベッドを40名以上の負傷者がいる五つの病院に、それぞれ五つのベッドを贈ると述べた。
「日本の東北で大地震が起きた時、私達は台湾から多くの恩恵を受けました。そして、今、私達が恩返しをする番です」と菅波茂氏は言う。
今回、台湾でこのような事故が起き、多くの日本人が台湾に対して、誠意を示してくれた。これは4年前に日本で起きた大地震での台湾人の善意に対する、日本からの感謝の気持ちであり、今回は提供できる限りの全ての医療を捧げると決めているようだ。菅波茂氏は台湾の医療水準は先進国のアメリカや日本にも劣らないものと指摘。ただ、今回のような大きなやけどは薬を塗り替る時に起こる細菌感染、多臓器疲労、肺水腫などの状況が起こる可能性がある。
また、氏家良人氏は「やけどの面積が70%を越える患者さんは5回以上は皮膚の移植工程を経なければなりません。この2か月以内は細菌感染に掛かりやすい時期です。」と話す。一行は日本へ帰って計画を練り直すそうだ。こういった申し出は、台湾社会にはいつでも温かい温もりが満ち溢れていると感動させられる。快く助けてくれる国や人々がいるので、この大事な時期にこんなにも沢山の助けを受けることができるのだ。この思いやりに溢れた関係が永遠に続くことを願いたい。
http://direct.mega-shares.com/post/103726
台湾メディア「自由時報」掲載記事
この災害対応についてのみ、台湾人医師の監督のもとで日本人医師が医療活動ができることとなった。
http://news.ltn.com.tw/news/life/paper/895887
台湾の反応ブログ
以下転載
「八仙水上楽園」火災事故の負傷者治療に日本の医師界から人工皮膚提供
6月30日、台湾路竹会の劉啓群・会長は、「日本医師会およびアムダ(AMDA)と連絡を取り、その後、台北駐日経済文化代表処の積極的な協力により、日本医師界に『八仙水上楽園』火災事故の負傷者治療に協力していただくことになった」と明らかにした。
日本医師会は、6月30日に緊急理事会を開き、台湾で発生したこの火災事故の負傷者への治療に関する協力を可決し、AMDAが専門の医師を台湾の治療支援に派遣する経費を補助することとなった。
AMDAは、人工皮膚製造の日本メーカーからの関連する医療材料の提供について、すでに調整を済ませているが、この人工皮膚の移植・治療は日本独自の技術であり、基本的には日本の専門医師だけが行うことができる技術である。路竹会によると、今後の火傷患者治療の最も重要な時期は、火傷し1週間後~1カ月の間であり、先に火傷の傷口を処理し、新しい皮膚を再生させることである。この度の火災事故患者の治療をどのように支援し、台湾側で必要としている医薬材料の提供数を把握するため、日本側は2名の医師を先に派遣することとした。AMDAの菅波茂・理事長と、日本集中治療医学会の氏家良人・理事長は7月2日午前に台北に到着し、その後、両医師は衛生福利部(衛生福利省)、中華民国医師公会全国聯合会、路竹会と協力し、関連する作業を行う。
新北市政府衛生局が発表した6月30日夜時点での「八仙水上楽園」火災事故による負傷者は498名(後に1名死亡)で、52カ所の病院に搬送された。入院患者の内、ICUで治療中の患者は277名、一般病棟での入院患者は160名で、60名がすでに退院した。路竹会の劉会長は2015年3月、外交部NGO事務会において、AMDAの菅波理事長と協力覚書(MOU)を締結した。このMOUは、国際的な災害・緊急救援あるいは、人道的医療支援の際に、路竹会医療チームがAMDAのメンバーと協力するというものである。
http://www.taiwannohannou.com/archives/35926114.html