AMDAはAMDAネパール支部と協働で、発災から1ヶ月を緊急救援期間と位置づけ、発災翌日からカトマンズ近郊での無料巡回診療を継続的に行っている。まだまだ、屋外でテント暮らしを余儀なくされている避難者も多く、医療ニーズは依然高いのが現状である。
AMDA医療チームは、5月21日にはバクタプール市グンデゥで活動を行い、62名の患者が診察を受け、疥癬、切り傷、アレルギー性結膜炎、胃炎、咽喉感染症などの患者が多く見られた。
翌22日には、カトマンズ・ラムコット地区ビムドゥンガ村を訪れたが、村へ向かう途中の道のりでは地震による被害の様子に心が痛んだ。カトマンズ盆地の他の地域と同様に、住民の多くは屋外の空き地で生活している。ここでも、AMDAチームは一日で82名の患者を診察し、薬を処方することができた。胃炎、アレルギー反応、喘息、高血圧、糖尿病に伴う症状を訴える患者さんが多く見られた。被災しているにも関わらず、地元の人たちから感謝のしるしとして振る舞われた紅茶やベリーは、AMDA医療チームの喉と心を潤してくれた。
緊急救援活動最終日となった5月25日には、カトマンズ・ジョルパティ地区で84名の患者を診療することができた。多くの患者は咳き、頭痛、下痢、吐き気、嘔吐、関節痛や胃炎、皮膚炎に伴う症状を訴え、精神的な症状を訴える患者も見受けられた。咳などの風邪症状のある乳児も診療所を訪れた。今後は復興支援として精神的ケアを中心に支援を行っていくが、感染症への警戒も継続する必要があると考える。